余剰分析とは?
税収と死荷重まで一度に計算
グラフの色を覚えるだけでは、税・補助金・価格規制の応用で迷います。まず誰が得る余剰かを分け、最後に合計が保存されるかを検算しましょう。
結論を先に
市場取引で生まれる便益を「面積」で測る
消費者余剰
支払意思額 − 実際の支払額
需要曲線の下・価格の上
生産者余剰
実際の受取額 − 供給に必要な額
価格の下・供給曲線の上
社会的総余剰
消費者余剰 + 生産者余剰
税があれば税収も加える
動かして確認
税額を変えて余剰の移動と損失を見る
税額0では総余剰1,600円。税額が上がるほど取引量が減り、移転される税収と失われる死荷重を分けて表示します。
需要 P=100−Q、供給 P=20+Q の市場です。税額を変えると、取引量・税収・死荷重がどう動くかを確認できます。
- 取引量
- 30
- 消費者価格
- 70円
- 生産者受取価格
- 50円
- 死荷重
- 100円
社会的総余剰の内訳
税収は政府へ移る余剰なので社会的総余剰に含めます。失われた三角形だけが死荷重です。
- 消費者余剰
- 450円
- 生産者余剰
- 450円
- 政府の税収
- 600円
- 死荷重
- 100円
検算:消費者余剰 + 生産者余剰 + 税収 + 死荷重 = 課税前の総余剰 1,600円
Worked example
従量税20円なら、死荷重は100円
- 1
課税前の均衡
100−Q = 20+Q より Q=40、P=60。総余剰は800+800=1,600。
- 2
課税後の取引量
消費者価格と生産者価格の差を20にするため Q=30。消費者70円、生産者50円。
- 3
課税後の内訳
消費者余剰450、生産者余剰450、税収600。合計1,500。
- 4
死荷重
1,600−1,500=100。別解は20×(40−30)÷2=100。
政策問題は「移転」と「消失」を分ける
従量税
消費者価格と生産者受取価格に税額分のくさび。税収は移転、三角形が死荷重。
補助金
取引量は増えるが、政府支出を差し引いて過剰取引による死荷重を考える。
価格規制
上限価格・下限価格で取引量がどちら側に制約されるかを先に確認する。
余剰分析で落としやすい4点
税収を死荷重と考える
税収は政府への移転。取引消滅で失われる部分だけが死荷重です。
課税後も同じ取引量で面積を取る
まず新しい価格差と取引量を求めてから面積を計算します。
生産者余剰を利潤と同一視する
生産者余剰は固定費を差し引く前の概念で、利潤と常に一致しません。
上限価格なら必ず余剰が増える
取引量制約や配分方法によって結果が変わります。誰が取引できるかも確認します。
Official exam evidence
本試験ではここが問われた
令和元年度 第1次試験「経済学・経済政策」第10問を出題例として確認しました。 公式問題文・選択肢は転載せず、教材で確認すべき読み取り方だけを整理しています。
- 需要曲線・供給曲線のシフト後に、消費者余剰と生産者余剰の増減を読む
- 所得・技術・好み・原材料費の変化を、どちらの曲線が動くかへ変換する
出題例は論点の重要性を示す参考であり、今後の出題を保証するものではありません。
Self check
3問で面積計算を確認
ここでの問題は理解確認用のオリジナル問題です。公式過去問の転載ではありません。
0 / 3問 回答済み
公式資料と次の学習
確認問題と数値例は診断士AI編集部によるオリジナルです。公式問題の文章・選択肢は転載していません。
試験実施団体の過去問題一覧よくある質問
Q. 消費者余剰とは何ですか?
消費者が支払ってもよいと考える価格と、実際に支払う市場価格との差を取引量全体で合計したものです。直線の需要曲線では、需要曲線・市場価格・縦軸で囲まれた三角形の面積になります。
Q. 生産者余剰とは何ですか?
生産者が供給してもよい最低価格と、実際に受け取る市場価格との差を取引量全体で合計したものです。直線の供給曲線では、市場価格・供給曲線・縦軸で囲まれた三角形の面積になります。
Q. 税収は社会的総余剰に含めますか?
通常の余剰分析では含めます。税収は消費者・生産者から政府へ移転した余剰です。一方、課税によって成立しなくなった取引から生じる損失が死荷重です。
Q. 死荷重はどう計算しますか?
課税前の社会的総余剰から、課税後の消費者余剰・生産者余剰・税収の合計を引きます。直線の需要・供給曲線と従量税なら、税額×取引量減少÷2でも計算できます。