ギッフェン財の成立条件
価格が上がるほど売れる理由
結論は、増加方向の所得効果が、減少方向の代替効果を上回る劣等財です。 「珍しい例」を暗記する前に、二つの効果を足して判定できるようにしましょう。
30秒で結論
価格効果 = 代替効果 + 所得効果
代替効果
価格上昇 → X財を減らす
必ず負方向
所得効果
実質所得低下 → 劣等財を増やす
正方向
ギッフェン財
所得効果 > 代替効果
合計が増加
動かして確認
所得効果が3を超えると逆転する
代替効果を−3に固定しています。所得効果を−4から+7まで動かし、正常財・劣等財・ギッフェン財の境界を比べてください。
X財の価格が上がり、代替効果が −3 の場合です。所得効果を変えて、価格効果の逆転点を確認してください。
正常財・劣等財・ギッフェン財の違い
| 分類 | 価格上昇時の代替効果 | 所得効果 | 需要量の合計変化 |
|---|---|---|---|
| 正常財 | 減少 | 減少 | 減少 |
| 劣等財 | 減少 | 増加 | 通常は減少 |
| ギッフェン財 | 減少 | より大きく増加 | 増加 |
「高いから欲しい」は別の理由
ヴェブレン財は価格が威信のシグナルとなる選好の話です。ギッフェン財は、低所得・支出比率・代替の乏しさなどの条件下で、実質所得低下の影響が大きくなる話です。
根拠と注意
「ジャガイモの逸話」と実証研究を分ける
アイルランドのジャガイモは説明例として有名ですが、歴史的な実証には議論があります。Jensen & Miller(2008)は中国の極貧世帯への主食価格補助実験で、湖南省の米に強いギッフェン挙動、甘粛省の小麦に弱い証拠を報告しました。教材では「理論上の条件」と「観測された範囲」を区別します。
Official exam evidence
本試験ではここが問われた
平成24年度 第1次試験「経済学・経済政策」第17問を出題例として確認しました。 公式問題文・選択肢は転載せず、教材で確認すべき読み取り方だけを整理しています。
- 価格変化後の代替効果・所得効果の向きと絶対値を比較する
- 劣等財かどうかと、所得効果が代替効果を上回るかを分けて判断する
出題例は論点の重要性を示す参考であり、今後の出題を保証するものではありません。
Self check
3問で関係を確認
ここでの問題は理解確認用のオリジナル問題です。公式過去問の転載ではありません。
0 / 3問 回答済み
よくある質問
Q. ギッフェン財とは何ですか?
価格が上昇したとき、通常とは逆に需要量が増える財です。劣等財であり、価格上昇による正の所得効果が負の代替効果を上回る場合に成立します。
Q. 劣等財はすべてギッフェン財ですか?
いいえ。劣等財では価格上昇時の所得効果が需要量を増やす方向に働きますが、その大きさが代替効果を上回らなければ、価格上昇で需要量は減ります。ギッフェン財は劣等財の一部です。
Q. ギッフェン財とヴェブレン財の違いは何ですか?
ギッフェン財は所得制約と代替効果・所得効果の関係で説明します。ヴェブレン財は、高価格そのものが威信や希少性のシグナルとなり選好へ影響する現象です。理由が異なります。
Q. ギッフェン財の需要曲線はどちら向きですか?
他の条件を一定とした該当範囲では、価格上昇と需要量増加が同時に起きるため右上がりです。ただし、あらゆる価格帯で必ず右上がりになるという意味ではありません。