スルツキー分解とは?
代替効果と所得効果を分ける
価格が変わったときの需要量変化を、相対価格の変化と実質購買力の変化に分けます。向きと足し算を押さえれば、正常財・劣等財・ギッフェン財を一つのルールで判定できます。
最初に覚える式
スルツキー分解とは?価格効果を2つに分ける
財の価格が変わったときの需要量の変化を、相対価格の変化と実質購買力の変化に切り分ける方法です。式では価格効果 = 代替効果 + 所得効果と表します。
価格効果とは?
価格変化による需要量の合計変化
代替効果とは?
相対的に高くなった財から別の財へ移る変化
所得効果とは?
実質的な購買力の増減による需要量の変化
3-step reading
予算制約線と無差別曲線|グラフはA→B→Cの順に読む
予算制約線の傾きは2財の相対価格、無差別曲線との接点は効用を最大にする消費束を示します。価格変更後の予算制約線と平行な補助線を使い、最初に相対価格だけの影響、次に購買力の影響を読み分けます。
A:価格変更前
元の予算線で選んだ消費束。ここを出発点にします。
A→B:代替効果
新しい相対価格の傾きへ変え、元の消費束を買えるよう所得を補償します。
B→C:所得効果
補償を外して実際の新しい予算線へ移り、購買力変化の影響を読みます。
スルツキーとヒックスの違い
スルツキーは「元の消費束を買える」、ヒックスは「元の効用を保てる」よう補償します。試験問題では、補償後の予算線が何を通る・何に接するかを確認してください。
Interactive decomposition
所得効果だけを動かして3分類を比較
価格上昇時の代替効果−3は固定です。所得効果が負なら正常財、正でも小さければ通常の劣等財、+3を超えるとギッフェン財になります。
X財の価格が上がり、代替効果が −3 の場合です。所得効果を変えて、価格効果の逆転点を確認してください。
価格上昇時の向きを1枚で整理
正常財
代替 − / 所得 −
合計は必ず減少
劣等財
代替 − / 所得 +
通常は減少
ギッフェン財
代替 − / 所得 ++
合計が増加
よくある4つの取り違え
代替効果の向きが財によって変わる
代替効果は価格が上がった財を減らす方向で共通です。
劣等財なら需要曲線は右上がり
所得効果が代替効果より小さければ、価格上昇で需要は減ります。
所得効果は所得額の変化だけを見る
価格変化による実質購買力の変化も所得効果として扱います。
スルツキー補償は効用を一定にする
元の効用を一定にするのはヒックス補償です。
Official exam evidence
本試験ではここが問われた
平成24年度 第1次試験「経済学・経済政策」第17問を出題例として確認しました。 公式問題文・選択肢は転載せず、教材で確認すべき読み取り方だけを整理しています。
- 価格変化による数量変化を、代替効果と所得効果の線分に分けて読む
- 補助予算線と無差別曲線の接点から、各効果の始点・終点を特定する
出題例は論点の重要性を示す参考であり、今後の出題を保証するものではありません。
Self check
3問で分解手順を確認
ここでの問題は理解確認用のオリジナル問題です。公式過去問の転載ではありません。
0 / 3問 回答済み
試験範囲と次の学習
消費者行動、需要曲線、所得効果・代替効果は、経済学・経済政策のミクロ経済学を読む土台です。公式問題の文章・選択肢は転載せず、確認問題はすべてオリジナルで作成しています。
試験実施団体の過去問題一覧よくある質問
Q. スルツキー分解とは何ですか?
財の価格変化による需要量の変化(価格効果)を、相対価格の変化による代替効果と、実質的な購買力の変化による所得効果に分ける考え方です。
Q. 価格が上がったときの代替効果はどちら向きですか?
その財の消費量を減らす方向です。相対的に高くなった財から、相対的に安くなった財へ代替するためです。正常財か劣等財かにかかわらず、代替効果の向きは同じです。
Q. 正常財と劣等財では所得効果がどう違いますか?
価格上昇で実質所得が下がったとき、正常財の需要量は減少し、劣等財の需要量は増加します。劣等財でも、増加する所得効果が代替効果より小さければ全体の需要量は減少します。
Q. スルツキー分解とヒックス分解の違いは何ですか?
補償の基準が異なります。スルツキー分解は価格変更前の消費束を購入できる購買力を保つ補償、ヒックス分解は価格変更前の効用水準を保つ補償を考えます。