中小企業診断士の
科目合格・科目免除ガイド
科目合格制度は、忙しい社会人にとって強力な武器です。ただし、免除科目を60点扱いにする、 申込後に免除を追加できると思う、2次に必要な科目まで完全に止める、といった誤解があると逆効果になります。 公式FAQをもとに、制度の正しい使い方と2年計画への落とし込みを整理します。
科目合格基準
満点の60%
通常は100点中60点以上が目安
免除できる年度
翌年度・翌々年度
申請しなければ免除扱いにならない
免除科目の扱い
判定対象外
60点換算でも前回得点引継ぎでもない
申請タイミング
受験申込時のみ
受付後の追加申請は不可
RULES
科目合格・科目免除の基本ルール
科目合格は「満点の60%」が基準
第1次試験の合格基準に届かなかった場合でも、受験した科目ごとに科目合格基準で判定されます。通常は各科目60点以上を取った科目が科目合格の対象です。
例:7科目合計は390点で1次不合格でも、財務・会計70点、運営管理65点なら、その科目は科目合格の対象になります。
免除は自動ではなく、申請が必要
科目合格した科目は、翌年度と翌々年度に限り、受験者の申請により免除されます。免除を希望する場合は、受験申込時に科目合格時の受験番号などを入力します。
例:令和8年度は、令和7年度または令和6年度に科目合格した科目が申請対象です。
免除科目は60点扱いではない
免除された科目は合否判定の対象外です。免除科目を60点や100点とみなしたり、科目合格時の得点を引き継いだりする扱いではありません。
例:2科目免除で5科目受験なら、受験した5科目だけで総点60%以上かつ40%未満なしを判定します。
1次合格すると科目合格の権利は消える
第1次試験に合格すると、それまでの科目合格による科目免除の申請資格はなくなります。科目合格は、1次不合格時に次年度以降へつなぐ制度です。
例:令和7年度に1次合格して2次を受けなかった場合、令和8年度に「前年の科目合格」として1次科目免除を使うことはできません。
AFTER SELF SCORING
自己採点後は、合否だけでなく科目別に仕分ける
1次合格が厳しい年でも、60点以上の科目は翌年計画の材料になります。 感情で判断する前に、得点、足切り、科目合格候補、2次関連科目を分けておくと、次の一手を決めやすくなります。
60点以上・40点未満・ボーダー科目を分ける
自己採点後は総点だけで判断せず、科目ごとに60点以上、40点未満、判定待ちのボーダー科目へ分けます。翌年計画の材料を先に作ります。
自己採点手順を見る 合格厳しめ科目合格候補を翌年の免除候補にする
今年の1次突破が厳しい場合でも、60点以上の科目は翌年計画の資産になります。免除するか再受験するかは、2次との接続も含めて判断します。
得点を整理する 翌年計画残り科目だけで平均60%以上を狙う設計にする
免除科目は60点換算ではありません。免除を使う場合は、受験する残り科目だけで合格基準を満たせる配点計画を作ります。
勉強時間を組む 2次接続財務・経営・運営は知識維持を止めない
財務・会計、企業経営理論、運営管理は2次試験に直結します。免除候補でも、短い復習や事例演習で知識を保つ方が安全です。
2次との接続を見る最大の誤解は「免除科目を60点に足す」こと
免除科目は、合否判定の分母から外れます。2科目免除で5科目受験する場合は、 受験した5科目について総点60%以上かつ1科目でも40%未満がないかを見ます。 免除科目の前回得点を引き継ぐわけではありません。
令和8年度概要へ週15〜20時間以上を確保できる人
1年合格狙い
7科目すべて受験し、総点420点以上と足切り回避を同時に狙う
科目合格は保険。最初から科目を捨てると2次準備が遅れます。
仕事・家庭で週10時間前後が限界の人
2年計画
1年目は主要3〜4科目を深く取り、2年目に残り科目と2次準備へ移る
免除科目の知識維持を怠ると、2次事例Ⅰ〜Ⅳで失速します。
前年に一部科目で60点以上を取っている人
リベンジ受験
免除申請で負担を減らし、残り科目の平均60%以上を最優先する
申込後に免除を追加できないため、受験票到着前ではなく申込時点で決めます。
USE OR RETAKE
科目免除を使うか、あえて再受験するか
科目合格した科目は、必ず免除した方がよいとは限りません。 1次の負担を下げたい科目は免除し、2次試験や得点源に直結する科目は再受験も検討します。 判断は受験申込時点で必要になるため、残り科目の足切りリスクと有効期限を同時に確認します。
残り科目の足切りリスクを下げたい
前年に60点以上を取った科目を免除し、残り科目へ時間を集中します。仕事が忙しく、今年は全科目を広く回す余裕がない人に向いています。
残り科目で判定 再受験する2次試験につながる科目を維持したい
財務・会計、企業経営理論、運営管理は2次試験でも使います。免除できても、得点源として再受験する選択肢があります。
2次との接続を見る 保留できない申込時点で免除申請を決める
免除申請は受験申込受付期間内のみです。受験票が届いてから追加する前提ではなく、申込前に科目ごとの方針を決めます。
申込日程を確認 期限確認翌年度・翌々年度の失効を先に見る
科目合格は永久に使える制度ではありません。令和8年度に使える科目、今年失効する科目、来年に残せる科目を分けて計画します。
有効期限を確認DECISION FLOW
科目免除を使う前に確認する4ステップ
STEP 1
まず今年の受験方針を決める
今年7科目で1次合格を狙うのか、科目合格を積み上げる年にするのかを分けます。欠席科目があると、その年度の1次合格はできません。
STEP 2
科目合格済みの年度を確認する
免除できるのは翌年度・翌々年度です。令和8年度なら、令和7年度または令和6年度に科目合格した科目が中心になります。
STEP 3
免除した科目をゼロ学習にしない
財務・会計、企業経営理論、運営管理は2次試験にもつながります。免除で1次の負担を減らしても、2次に必要な知識は短く維持します。
STEP 4
残り科目だけで60%を取る計画にする
免除科目は判定対象外なので、残り科目の平均60%以上を狙う必要があります。合格点シミュレーターで受験科目だけの得点設計を確認します。
科目合格制度で失敗しやすいパターン
免除科目を60点として総点に足してしまう
免除申請を忘れ、あとから追加できると思ってしまう
財務・会計を免除して、事例Ⅳの計算練習まで止めてしまう
科目合格の期限を見ずに、重い科目を後ろ倒しにする
科目合格を狙う年なのに、欠席科目の受験料が安くなると誤解する
2次関連科目は知識を維持する
企業経営理論、運営管理、財務・会計は、1次試験で免除できても2次試験で使います。 免除によって1次の負担を下げるのは有効ですが、完全に手放すと事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの答案作成で苦しくなります。 週1回の短い復習や、関連する2次事例の演習に接続して知識を保つのが安全です。
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よくある質問
中小企業診断士1次試験の科目合格基準は何点ですか?
科目合格基準は、満点の60%を基準として試験委員会が相当と認めた得点比率です。通常は100点満点の科目で60点以上が目安です。
科目合格の有効期限はいつまでですか?
科目合格した科目は、受験者の申請により翌年度と翌々年度に限り免除されます。令和8年度では、令和7年度または令和6年度に科目合格した科目が申請対象です。
免除科目は60点として合計点に入りますか?
入りません。免除された科目は合否判定の対象外です。60点や100点として扱うのではなく、受験した科目だけで総点60%以上かつ40%未満なしを判定します。
科目免除申請を忘れた場合、あとから追加できますか?
できません。公式FAQでは、免除申請は受験申込受付期間内のみで、あとから免除申請することはできないとされています。申込時に入力内容を確認する必要があります。
科目合格した科目をあえて再受験できますか?
免除申請をしなければ再受験できます。免除申請をした科目は受験できず、合否判定の対象外になります。
自己採点で1次合格が厳しい場合、最初に何をすべきですか?
まず科目別に60点以上、40点未満、ボーダー科目を分けます。1次合格が厳しい場合でも、60点以上の科目は翌年度以降の科目免除候補になるため、自己採点結果を科目別に残しておくことが重要です。