エージェンシーコストとは?
教科書的な定義
依頼人(プリンシパル)と代理人(エージェント)の利害が完全には一致しないときに生じる、監視支出・保証支出・残余損失の合計。
エージェンシーコストを、ひと目で。
株主と経営者のように、仕事を任せる人と任される人の利害が異なると、監視・保証の費用と、対策後にも残る損失が生じます。
監視費用+保証費用+残余損失で考える。
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監視費用
委託者が、代理人の行動を確かめたり、望ましい行動を促したりするための費用です。株主による経営の監視などが当たります。
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保証費用
代理人が、委託者の利益を損なう行動をとらないと約束し、その約束を裏づけるために負担する費用です。
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残余損失
監視や保証を行っても残る利害のずれにより、委託者の利益が最善の状態より小さくなる分です。現金の支払いとは限りません。
監視・保証の費用をかけることで残余損失が減る場合があります。代理人が必ず不正をする、監視費用はすべて無駄、と決めつけないことが大切です。
ざっくり言うと
店の所有者が運営を店長に任せる場面で考えます。所有者は売上報告を確認する仕組みに費用を使い、店長は約束どおり運営していると示すために記録を残します。それでも判断のずれによる損失が残ることがあります。
もう少し詳しく
JensenとMecklingは、エージェンシー関係を、一方の依頼人が自分のための仕事と意思決定を代理人へ委ねる契約として整理しました。両者がそれぞれ自分の利益を求めると、代理人が常に依頼人にとって最善の行動を取るとは限りません。エージェンシーコスト(エージェンシー費用)は、依頼人による監視支出、代理人による保証支出、そして両者の意思決定のずれから残る残余損失の合計です。監査、情報開示、報酬設計などはずれを抑える手段になり得ますが、それらに使う費用自体も含め、対策後に残る損失まで捉える点が重要です。
具体例
株主が経営者に会社運営を任せる場合、監査や業績報告にかかる費用が監視支出、経営者が一定の行動を約束してその履行を示すための費用が保証支出です。対策後も経営者の判断が株主の利益を最大にせず企業価値が下がる分は残余損失です。
試験対策ポイント
監視支出は依頼人側、保証支出は代理人側、残余損失は対策後も残る利益のずれ、と対応させます。「対策の費用だけ」や「不正で失った金額だけ」ではない点を確認しましょう。
「エージェンシーコスト」のよくある質問
Q. エージェンシーコストとは何ですか?わかりやすく教えてください
依頼人(プリンシパル)と代理人(エージェント)の利害が完全には一致しないときに生じる、監視支出・保証支出・残余損失の合計。 わかりやすく言うと、店の所有者が運営を店長に任せる場面で考えます。所有者は売上報告を確認する仕組みに費用を使い、店長は約束どおり運営していると示すために記録を残します。それでも判断のずれによる損失が残ることがあります。
Q. エージェンシーコストは診断士試験のどの科目で出題されますか?
エージェンシーコストは「財務・会計」の科目で出題されます。企業財務の分野に分類され、関連する概念と合わせて理解することが重要です。
Q. エージェンシーコストの具体例を教えてください
株主が経営者に会社運営を任せる場合、監査や業績報告にかかる費用が監視支出、経営者が一定の行動を約束してその履行を示すための費用が保証支出です。対策後も経営者の判断が株主の利益を最大にせず企業価値が下がる分は残余損失です。
Q. エージェンシーコストを効率よく覚えるコツは?
エージェンシーコストを覚えるコツは、①まず定義を自分の言葉で言い換えること、②実際のビジネスや日常生活の具体例と結びつけること、③関連する用語とセットで比較しながら覚えることです。診断士AIの4択クイズで繰り返し出題されることで、記憶が定着します。
Q. 次の説明に当てはまる用語は?
「依頼人(プリンシパル)と代理人(エージェント)の利害が完全には一致しないときに生じる、監視支出・保証支出・残余損失の合計」