用語集 読了 9分2026-03-24

マズローの欲求段階説とハーズバーグの二要因理論とは?|「給料を上げても社員がやる気を出さない理由」がわかる

マズローの欲求5段階説とハーズバーグの二要因理論(動機づけ・衛生理論)をわかりやすく解説。給料では解決できないモチベーション問題の本質と、診断士試験での出題パターン。

「給料を上げたのに、社員のやる気が上がらない」問題

経営者からよく聞く悩みです。

「ベースアップしたのに、離職率が下がらない」 「賞与を増やしたのに、モチベーションが上がらない」

なぜか。マズローとハーズバーグの理論を知れば、この謎が解けます。


マズローの欲求5段階説

「人間の欲求には5つのレベルがあり、低いレベルが満たされると、次のレベルの欲求が生まれる」

ピラミッドの下から順に:

レベル欲求会社に当てはめると
5(最上位)自己実現欲求「自分の能力を最大限発揮したい」「やりがいのある仕事がしたい」
4承認欲求「認められたい」「昇進したい」「表彰されたい」
3社会的欲求「仲間が欲しい」「チームに所属したい」「孤立したくない」
2安全欲求「クビにならない安心感」「安定した給料」「安全な職場」
1(最下位)生理的欲求「最低限の生活ができる給料」「休憩時間」「トイレに行ける」

ポイント:低い欲求が満たされていないと、高い欲求は生まれない

極端に給料が低い(レベル1〜2が未充足)のに、「やりがいを持って働け」(レベル5)と言っても無理。まず安全・安定を満たさないと、その先の欲求は出てきません。

逆に、レベル1〜3がすでに満たされている社員に対して、給料を上げても(レベル2の追加充足)、やる気は上がらない。求めているのはレベル4〜5の充足(承認・自己実現)だから。


ハーズバーグの二要因理論

ハーズバーグはもっとシンプルに整理しました。

人間のモチベーションに影響する要因は2種類ある。

衛生要因(不満を防ぐが、やる気は生まない)

要因
給与「給料が安い」と不満。でも「給料が上がった」だけではやる気は出ない
労働条件残業が多い、オフィスが汚い → 不満の原因
人間関係上司との関係が悪い → 不満の原因
会社の方針理不尽なルール → 不満の原因
雇用の安定リストラの不安 → 不満の原因

動機づけ要因(やる気を生む)

要因
達成感プロジェクトを成功させた
承認上司に褒められた、表彰された
仕事そのもの仕事の内容が面白い、やりがいがある
責任重要な仕事を任された
成長新しいスキルが身についた

核心:「不満がない」と「やる気がある」は別物

衛生要因を整えても、不満がゼロになるだけ。 やる気を引き出すには、動機づけ要因が必要。

給料を上げる → 不満は減る(衛生要因の改善) やりがいのある仕事を任せる → やる気が出る(動機づけ要因の充足)

だから「給料を上げてもやる気が出ない」のです。 給料は「不満を消す」効果しかない。


マズローとハーズバーグの対応関係

マズローハーズバーグ
自己実現欲求動機づけ要因
承認欲求動機づけ要因
社会的欲求衛生要因 / 動機づけ要因(境界)
安全欲求衛生要因
生理的欲求衛生要因

マズローの下位欲求 ≒ ハーズバーグの衛生要因 マズローの上位欲求 ≒ ハーズバーグの動機づけ要因


診断士試験での出題パターン

1次試験(企業経営理論)

  • 「マズローの欲求段階説において、安全欲求の上位に位置する欲求はどれか」→ 社会的欲求
  • 「ハーズバーグの理論における衛生要因はどれか」→ 給与、労働条件、人間関係
  • 「動機づけ要因として適切なものはどれか」→ 達成感、承認、仕事のやりがい

2次試験(事例Ⅰ)

  • 事例Ⅰ(組織・人事)で最頻出のテーマ。
  • 「A社の従業員のモチベーション低下の原因を分析せよ」
  • 「A社の人事施策として、モチベーション向上に効果的なものを提案せよ」

2次試験の解答で「給料を上げる」と書くのはNG。 衛生要因の改善でしかないから。「権限委譲」「自律的なチーム編成」「成果の可視化」など、動機づけ要因に関する施策を提案すべき。

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診断士AI 編集部

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