用語集 読了 9分2026-03-24
経営戦略とは?|「3つのレベル」で整理する企業戦略・事業戦略・機能別戦略
経営戦略の3つのレベル(企業戦略・事業戦略・機能別戦略)を「サッカーチーム」にたとえてわかりやすく解説。コストリーダーシップ・差別化・集中戦略、診断士試験での問われ方を初心者向けに解説。
経営戦略を30秒で理解する
経営戦略は「勝つための作戦」です。
サッカーで考えてみてください。
- クラブ経営の戦略:「Jリーグで優勝するか、アジアチャンピオンズリーグを狙うか」→ 企業戦略
- 試合の戦略:「この対戦相手にはカウンター攻撃で行く」→ 事業戦略
- ポジションごとの戦略:「FWは裏への飛び出しを狙え。DFはラインを高く保て」→ 機能別戦略
「どの大会で戦うか」→「どう勝つか」→「各ポジションは何をするか」。 この3つのレベルで整理するのが経営戦略の基本です。
3つのレベルを企業に当てはめる
レベル1:企業戦略(全社戦略)
「どの事業をやるか・やめるか」の判断。
| 問い | 例 |
|---|---|
| どの市場に参入する? | 「飲料だけでなく、食品事業にも進出する」 |
| 資源をどう配分する? | 「成長事業に重点投資し、衰退事業は撤退」 |
| M&Aする? | 「競合を買収してシェアを拡大」 |
企業戦略で使うフレームワーク → PPM、アンゾフの成長マトリクス
レベル2:事業戦略(競争戦略)
「その市場でどうやって勝つか」の判断。
ここで登場するのがポーターの3つの基本戦略です。
| 戦略 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| コストリーダーシップ | 業界最安を目指す | ユニクロ、マクドナルド |
| 差別化 | 他にない価値で勝つ | Apple、スターバックス |
| 集中 | 特定のニッチに絞る | 高級チョコレート専門店 |
「安さで勝つ」か「違いで勝つ」か「絞って勝つ」か。 中途半端(どれでもない)は最も危険。これを**「スタック・イン・ザ・ミドル」**と言い、試験でも頻出です。
レベル3:機能別戦略
「各部門は具体的に何をするか」の判断。
- マーケティング戦略 → 4Pをどう設計するか
- 人事戦略 → どんな人材を採用・育成するか
- 財務戦略 → 資金調達をどうするか
- 生産戦略 → 内製するか外注するか
上位戦略と整合していることが重要。 コストリーダーシップを企業戦略に掲げているのに、マーケティングで高級路線を取ったら矛盾します。
アンゾフの成長マトリクス(試験超頻出)
「会社をどう成長させるか」の4パターン。
| 既存製品 | 新製品 | |
|---|---|---|
| 既存市場 | 市場浸透 — 今の商品を今の市場でもっと売る | 新製品開発 — 今の市場に新商品を投入 |
| 新市場 | 新市場開拓 — 今の商品を別の市場に持っていく | 多角化 — 新しい商品を新しい市場に投入 |
リスクは右下に行くほど高くなる。 多角化は最もリスクが高い成長戦略です。
たこ焼き屋の例:
- 市場浸透 → チラシを配って今のお客様にもっと来てもらう
- 新製品開発 → 焼きそばやお好み焼きを始める
- 新市場開拓 → 隣の駅に2号店を出す
- 多角化 → たこ焼きとは無関係のアパレル事業を始める
診断士試験での出題パターン
1次試験(企業経営理論)
- 「コストリーダーシップ戦略の条件はどれか」→ 規模の経済、経験曲線効果
- 「スタック・イン・ザ・ミドルとは何か」→ 3つの基本戦略のどれにも属さない中途半端な状態
- 「アンゾフの成長マトリクスにおいて、既存市場×新製品の戦略は何か」→ 新製品開発
2次試験
- 事例Ⅰ:組織・人事の観点から経営戦略を分析
- 事例Ⅱ:マーケティング戦略の提案
- 事例Ⅲ:生産・技術戦略の分析
2次試験の4事例は、すべて「経営戦略の3つのレベル」のどこかに該当します。
経営戦略の「一貫性」が最も大事
個々のフレームワークを覚えることよりも大事なのは、3つのレベルが一貫しているかどうかを見る目です。
- 企業戦略で「高品質路線」と決めたのに、事業戦略で価格競争をしている → 矛盾
- 差別化戦略なのに、機能別戦略(人事)でコスト削減のためにリストラしている → 矛盾
この「矛盾」を見抜く力が、2次試験の合否を分けます。
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