経営法務の頻出用語まとめ|「会社を作る・守る・終わらせる」の法律をわかりやすく解説
中小企業診断士・経営法務の頻出用語(株式会社の機関設計、知的財産権、会社法、民法の契約)をわかりやすく解説。苦手な人が多い科目を身近な例で攻略。
経営法務が苦手な理由
「法律の条文が覚えられない。」
診断士受験生の8割がこう言います。経営法務は7科目の中で最も「暗記がつらい」科目。
でも、法律の本質は**「トラブルを防ぐルール」**です。身近な例に置き換えると、急に理解しやすくなります。
1. 会社法の基礎:「会社を作るルール」
株式会社の機関設計
「機関」= 会社の中で意思決定する組織・人。
| 機関 | 役割 | たとえ |
|---|---|---|
| 株主総会 | 会社の最高意思決定機関。取締役の選任・解任、定款変更 | サッカーチームのオーナー会議 |
| 取締役(会) | 経営の意思決定と執行 | 監督+コーチ陣 |
| 代表取締役 | 会社を代表する。対外的な契約権限を持つ | 監督(代表して記者会見する人) |
| 監査役 | 取締役の仕事をチェック | 審判(ルール違反がないか見張る) |
中小企業で最低限必要な機関
株主総会 + 取締役1名。 これだけで株式会社は作れます(非公開会社の場合)。
取締役会を置くなら取締役3名以上+監査役が必要。大企業は「委員会設置会社」などさらに複雑に。
試験では「この会社はどの機関設計が必要か?」が頻出。 公開会社か非公開会社か、大会社か否かで変わります。
2. 知的財産権:「アイデアを守るルール」
4つの知的財産権
| 権利 | 何を守る? | 保護期間 | 例 |
|---|---|---|---|
| 特許権 | 発明(技術的なアイデア) | 出願から20年 | 新しい製造方法、新薬 |
| 実用新案権 | 小発明(物品の形状・構造) | 出願から10年 | 改良された工具の形状 |
| 意匠権 | デザイン(物品の外観) | 出願から25年 | スマホのデザイン |
| 商標権 | ブランド(名前・ロゴ) | 登録から10年(更新可能=半永久) | Appleのロゴ、コカ・コーラの名前 |
覚え方のコツ
「特許は20年、商標は10年(更新あり)」 — この2つだけまず覚える。
特許は技術なので「世の中が進歩したら古くなる → 20年で十分」。 商標はブランドなので「企業が続く限り必要 → 更新可能」。
著作権は「別枠」
著作権は登録不要。 作った瞬間に自動的に発生する。保護期間は著作者の死後70年。
産業財産権(特許・実用新案・意匠・商標)は「登録して守る」。著作権は「作った瞬間に守られる」。 この違いが試験で出ます。
3. 契約の基礎:「約束のルール」
契約は「口約束」でも成立する
契約書がなくても、合意があれば契約は成立します。(民法の原則)
ただし、ビジネスでは「言った・言わない」のトラブルを防ぐために書面にする。
頻出の契約用語
| 用語 | 意味 | 身近な例 |
|---|---|---|
| 瑕疵担保責任(契約不適合責任) | 売ったものに欠陥があった場合の売主の責任 | 中古車を買ったらエンジンに故障があった |
| 債務不履行 | 約束を守らなかった | 納品日に商品が届かない |
| 連帯保証 | 主たる債務者と同じ責任を負う | 友人の借金の連帯保証人になる |
| 善管注意義務 | その立場の人として当然求められる注意を払う義務 | 取締役は会社の利益のために善良な管理者として行動する義務がある |
4. 会社の「再編」:M&Aの基礎
| 手法 | 内容 |
|---|---|
| 合併 | 2つの会社が1つになる(吸収合併 or 新設合併) |
| 株式交換 | 完全親子会社関係を作る |
| 事業譲渡 | 事業の全部または一部を他社に売る |
| 会社分割 | 会社の一部門を切り出して別会社にする |
中小企業の事業承継で最もよく使われるのは「事業譲渡」と「株式譲渡」。 試験でも事例でも頻出です。
診断士試験での出題パターン
1次試験(経営法務)
- 「非公開会社で取締役会を設置する場合に必要な機関は?」→ 取締役3名以上+監査役
- 「特許権の存続期間は?」→ 出願から20年
- 「著作権と特許権の違いとして正しいものは?」→ 著作権は登録不要
- 「瑕疵担保責任(契約不適合責任)の内容として正しいものは?」
2次試験
- 直接的な法律問題は少ないが、知的財産の活用や事業承継の法的スキームが問われることがある
攻略法
経営法務は**「理解」より「パターン認識」で攻略する科目。** 過去問を解きまくって、出題パターンを体に覚えさせる。
とはいえ、最低限の「なぜそのルールがあるのか」を理解しておくと、初見の問題でも推論できます。「法律はトラブルを防ぐためにある」——この原則に立ち返れば、正解を導ける問題が増えます。
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