用語集 読了 8分2026-03-24

ROEとROAの違いとは?|「大家さん」と「投資家」の視点で理解する経営指標

ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)の違いを「不動産投資」にたとえてわかりやすく解説。デュポン分析、財務レバレッジとの関係、診断士試験での計算パターンを初心者向けに解説。

ROEとROAを30秒で理解する

ROEは「株主のお金でどれだけ儲けたか」、ROAは「会社の全財産でどれだけ儲けたか」です。

不動産投資で考えます。

あなたが3,000万円のマンションを買って賃貸に出しました。

  • 自己資金:1,000万円
  • 銀行ローン:2,000万円
  • 年間の賃貸収入(利益):150万円

ROE = 利益 ÷ 自己資本 = 150万 ÷ 1,000万 = 15% 「自分のお金1,000万に対して15%のリターン」

ROA = 利益 ÷ 総資産 = 150万 ÷ 3,000万 = 5% 「マンション全体3,000万に対して5%のリターン」

ROEの方が数字が大きい。 なぜなら、借金(レバレッジ)を使っているから。自分のお金は1,000万しか使っていないのに、3,000万分の投資ができている。これが財務レバレッジの効果です。


公式まとめ

指標計算式見ている視点
ROE当期純利益 ÷ 自己資本 × 100株主の視点(株主のお金でどれだけ稼いだか)
ROA当期純利益 ÷ 総資産 × 100経営者の視点(全資産でどれだけ稼いだか)

ROEが高い = 株主にとって魅力的な会社 ROAが高い = 資産を効率的に使っている会社


デュポン分析(ROEの分解)— 超重要

ROEは3つの要素に分解できます。これがデュポン分析です。

ROE = 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ

要素意味上げるには
売上高純利益率(利益÷売上)「どれだけ利幅が大きいか」コスト削減、高付加価値化
総資産回転率(売上÷総資産)「資産をどれだけ活用しているか」在庫削減、遊休資産の処分
財務レバレッジ(総資産÷自己資本)「どれだけ借金を活用しているか」借入を増やす(リスクも増える)

具体例

A社B社
純利益率5%2%
資産回転率1.0回3.0回
レバレッジ2.0倍2.0倍
ROE10%12%

A社は利益率が高いが資産の回転が遅い(重厚長大型)。B社は利益率は低いが資産をガンガン回している(薄利多売型)。ROEの数字だけでは経営の質はわからない。分解して初めて実態が見える。


ROEの「罠」

ROEが高い = 良い会社、とは限らない。

借金を増やせばレバレッジが上がり、ROEは上がります。しかし、借金が多すぎると倒産リスクが高まる。

ROEだけを見て「この会社は優秀だ」と判断するのは危険です。必ずROAとセットで見る。 ROEが高くてROAが低い場合は、「レバレッジに頼っている」可能性があります。


診断士試験での出題パターン

1次試験(財務・会計)

  • 「ROEをデュポン分析で分解せよ」
  • 「ROAが低下した原因を、売上高純利益率と総資産回転率から分析せよ」
  • 「財務レバレッジが高い企業のリスクを述べよ」

2次試験(事例Ⅳ)

  • 「A社の収益性を分析せよ」→ ROE・ROAを計算し、デュポン分析で原因を特定
  • 「A社の財務上の課題を述べよ」→ レバレッジが高すぎる、回転率が低い、etc.

事例ⅣでROE/ROAを計算させる問題は、ほぼ毎年出ます。 デュポン分析の3要素を暗記ではなく理解しておくことが重要です。

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診断士AI 編集部

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