用語集 読了 9分2026-03-24

キャッシュフロー計算書(CF計算書)とは?|「財布の中身」で理解する第3の財務諸表

キャッシュフロー計算書を「家計の現金管理」にたとえてわかりやすく解説。営業CF・投資CF・財務CFの読み方、PLとの違い、フリーキャッシュフローの計算方法を初心者向けに解説。

キャッシュフロー計算書を30秒で理解する

キャッシュフロー計算書は「財布の中身がどう増減したかの記録」です。

年収500万円のサラリーマンがいるとします。P/L(損益計算書)的には「500万円稼いだ」。

しかし、財布の中身を見ると:

  • 住宅ローンで200万円が出ていった
  • 車を150万円で買った
  • 実際に手元に残ったのは100万円

「稼いだ額」と「手元に残った額」は違う。 この「手元に残った額=キャッシュの動き」を記録するのがキャッシュフロー計算書です。


3つのキャッシュフロー

キャッシュフロー計算書は、お金の動きを3つに分類します。

1. 営業キャッシュフロー(営業CF)

「本業で稼いだ現金」

サラリーマンで言えば「給料」。会社で言えば「商品を売って得た現金 − 仕入や経費で支払った現金」。

プラスが正常。マイナスは危険信号。 本業で現金を稼げていない会社は、遅かれ早かれ行き詰まります。

2. 投資キャッシュフロー(投資CF)

「将来のために使った現金」

サラリーマンで言えば「資格の勉強代」や「マイホーム購入」。会社で言えば「工場の建設」「設備の購入」「他社の買収」。

マイナスが正常。 将来に投資している証拠。プラスの場合は「資産を売却してお金を作っている」状態で、それ自体は悪くないが、理由を確認すべき。

3. 財務キャッシュフロー(財務CF)

「お金の借り入れと返済」

サラリーマンで言えば「住宅ローンの借入と返済」。会社で言えば「銀行からの借入」「社債の発行」「配当金の支払い」。

成長企業はプラス(資金調達中)、成熟企業はマイナス(借金返済中・配当支払中)が一般的。


「健全な会社」のCFパターン

営業CF投資CF財務CF状態
🟢 優良企業。 本業で稼ぎ、投資し、借金を返済
🟡 成長企業。 本業で稼ぎつつ、借入で積極投資
🟡 資産売却中。 リストラ・事業整理の可能性
🔴 要注意。 本業赤字を借金で補填
🔴 危険。 資産を切り売りし借金もしている

試験では「このCFパターンからA社の状態を読み取れ」という形で出題されます。


P/L(損益計算書)との違い

**「黒字倒産」**という言葉を聞いたことがありますか?

P/L上は利益が出ている(黒字)のに、手元の現金が足りなくて支払いができず倒産する。これが黒字倒産です。

P/L(損益計算書)CF計算書
記録するもの利益(売上 − 費用)現金の増減
タイミング売上を「計上」した時点現金が「動いた」時点
100万円の売上を計上(まだ入金されていない)入金された50万円だけ記録

P/Lは「儲かっているか」、CFは「お金が回っているか」。 両方見ないと会社の本当の姿はわかりません。


フリーキャッシュフロー(FCF)

FCF = 営業CF + 投資CF

「本業で稼いだ現金」から「投資に使った現金」を引いた残り。会社が自由に使えるお金です。

FCFがプラス → 借金返済にも配当にも新規投資にも使える FCFがマイナス → 外部から資金調達しないと回らない

FCFが安定してプラスの会社は、財務的に健全です。 企業価値評価(DCF法)でも、FCFが基礎になります。


診断士試験での出題パターン

1次試験(財務・会計)

  • 「間接法によるキャッシュフロー計算書の作成」→ 当期純利益からスタートして調整
  • 「減価償却費はCF計算書でどう扱われるか」→ 営業CFに加算(現金支出を伴わない費用だから)

2次試験(事例Ⅳ)

  • 「A社のキャッシュフロー計算書を作成し、財務上の課題を述べよ」
  • 「設備投資がFCFに与える影響を分析せよ」

「減価償却費の加算」は毎年のように出ます。 理由は「P/Lでは費用として引いたけど、実際にお金は出ていないから、CF計算では戻す」。これだけ覚えてください。

📌 あわせて読みたい: 損益分岐点とは?ROIとは?事例Ⅳが解けない本当の理由

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