中小企業診断士2次試験の解き方【2026年】事例Ⅰ〜Ⅳと答案の作り方
中小企業診断士2次試験の対策を、設問要求・与件根拠・骨子・答案・復習の順に解説。独自の69字答案例とCVP計算、事例Ⅰ〜Ⅳの確認点、80分の配分例から、今日の1問を練習できます。
2次試験の対策は、1問の「解く・直す」を再現することから
中小企業診断士の2次試験では、事例企業の説明を読み、設問に応じて分析や助言を記述します。事例Ⅳでは計算も行います。まず練習したいのは、設問の要求を確認し、使う事実を選び、答案にして、復習で修正する手順です。
この記事では、4事例で確認する点、架空企業を使った80字以内の答案例、計算条件の読み分け、80分の使い方を扱います。答案例や時間配分は診断士AI編集部の学習用提案で、公式解答・採点表・合格者調査ではありません。
試験までの準備順は2次試験対策の総合ガイド、年度別の問題は公式過去問へのリンク集で確認できます。ここでは1問を解く工程を具体化します。
2026年度の試験条件を確認する
2026年度の2次試験は10月25日(日)に実施され、事例Ⅰ〜Ⅳはそれぞれ80分・100点です。2026年度から口述試験は廃止されています。公式試験概要と改正の告知を確認してください。
受験申込は9月18日(金)16時までに支払いも含めて完了する必要があります。申込・持ち物は2次試験の申込ガイドで確認し、受験年度の公式案内を優先してください。以下の解答手順と、受験手続きの完了は別に管理します。
4事例で、答案のどこを点検するか
| 事例・主な学習分野 | 演習で点検すること | 次に練習する場所 |
|---|---|---|
| 事例Ⅰ:組織・人事 | 事業の方向性、組織の課題、人材・資源の制約と施策がつながるか | 事例Ⅰの記述練習 |
| 事例Ⅱ:マーケティング・流通 | 誰に、どの価値を、どう届けるかが事例企業の条件に合うか | 事例Ⅱの記述練習 |
| 事例Ⅲ:生産・技術 | 現場の問題・原因・改善策を、品質・コスト・納期へ結び付けられるか | 事例Ⅲの記述練習 |
| 事例Ⅳ:財務・会計 | 条件を式へ移し、単位・計算結果・経営上の意味を確認できるか | 登録不要のCVP体験 |
表の分野名は学習上の整理で、すべての設問に同じ型を当てはめる指示ではありません。たとえば2025年度の公式「出題の趣旨」では、事例Ⅰは組織面での資源補完、事例Ⅱは価格設定や顧客情報、事例Ⅲは工程管理、事例Ⅳは財務比率・利益計画・投資評価など、設問ごとに問う能力が示されています。出題の趣旨は答案例や詳細な採点表とは区別して使います。
事例Ⅰ〜Ⅲの解き方:設問から答案までの4工程
1.要求・対象・制約を短く書く
最初に「何を答えるか」を確認します。理由、問題点、助言では、必要な材料と文の結び方が変わります。対象の企業・顧客・部門、過去か現在か将来か、文字数、指定された観点も短くメモします。
「理由」を聞かれているのに改善策だけを書く、「人材育成策」を聞かれているのに設備投資だけを書く、といったずれをここで確認します。設問数や答える要素数を、毎年同じと決めないことも大切です。
2.使う事実と、自分の推論を分ける
与件文から、設問に対応する強み・問題・制約を選びます。段落の位置をメモし、後から原文へ戻れるようにします。
たとえば「若手が補助作業しか経験していない」は事実です。「段階的に担当作業を増やすと育成につながる」は、その事実と知識から組み立てる助言です。事実の引用と、提案する施策を区別すると、与件にない設備・人員・予算を勝手に足していないか点検できます。
知識は施策を考え、因果を説明するために使います。用語をそのまま並べることや、与件の文章を長く写すことを目的にしません。
3.文章の前に、要素を並べる
助言なら「対象→施策→実行方法→期待する効果」、理由なら「根拠となる事実→結果につながる説明」のように、短い語句で骨子を作ります。設問の要求に合う順序を選び、すべてを一つの文型に押し込まないようにします。
骨子を整理したいときは答案骨子ツールを使えます。残す場合は自分のメモへコピーしてください。紙の余白に箇条書きする方法でも構いません。
4.指定文字数で書き、設問へ戻る
骨子を文章にした後、主語・対象・因果が読めるか、与件の意味を変えていないか、指定文字数に収まるかを確認します。長い場合は、同じ意味の言葉や不要な修飾語から整理します。
与件と同じ表現を残すと意味を保ちやすい場面はありますが、言い換え自体で失点すると断定できる根拠はありません。設問に必要な事実を正確に伝えることを優先します。文型や字数別の組み立ては答案の書き方ガイド、長さの確認は文字数カウンターで補えます。
独自例題:80字以内の人材育成策を組み立てる
以下は編集部が作成した架空企業の短い練習問題です。公式過去問の転載・改変ではなく、本試験1事例全体の難易度を再現するものでもありません。
与件と設問
与件: A社は従業員20名の部品加工会社である。段取り作業は熟練者2名だけが担当し、若手は補助作業にとどまる。繁忙期には熟練者に作業が集中し、納期遅延が発生している。社長は若手にも段取りを任せたいと考えている。設備増設や増員は当面予定していない。
設問: 若手へ段取り作業を任せられるようにするため、A社が行う人材育成策を80字以内で助言してください。
先に自分で骨子を作ってから、次の表と比較してください。
| 工程 | この例で選ぶ材料 |
|---|---|
| 設問要求 | 若手が段取りを担当できるようにする育成策。80字以内 |
| 与件の事実 | 熟練者2名へ集中、若手は補助のみ、増員・設備増設の予定なし |
| 提案する施策 | 手順と判断基準を整理し、段階的に教えて習熟を確認する |
| 期待する効果 | 若手の担当範囲を広げ、作業集中と納期遅延を減らす |
答案例と、読み返す観点
熟練者の段取り手順と判断基準を標準化し、若手へ段階的にOJTを行う。習熟度を確認して担当範囲を広げ、熟練者への集中を減らし納期遅延を防ぐ。
この答案例は、OJTの英字も1文字ずつ、句読点を含めて69字です。引用符や改行は数えていません。学習用の一例であり、この文章だけが正解という意味ではありません。
- 「OJTを行う」に、何を教えるか・どのように進めるかを補っているか。
- 若手が補助にとどまる状況から、担当範囲を広げるまでの手順が読めるか。
- 増員など、与件で予定していない方法に依存していないか。
- 施策が作業集中の緩和へつながる理由を説明できるか。
「OJTとOff-JTで人材育成を行い、企業価値を高める」という表現だけでは、この会社で何を変えるかが読み取りにくくなります。用語を増やす前に、対象・実行方法・効果を具体化して比較します。ここで点数や合否を推定せず、次の答案で直す箇所を一つ決めてください。
別の与件でこの工程を試したい方は、事例Ⅰのオリジナル記述問題へ進めます。演習開始にはログインが必要です。
事例Ⅳの解き方:計算する前に条件をそろえる
事例Ⅳでも、最初に「求める値」「単位」「期間」「条件」を確認します。経営分析で選ぶ指標の個数や優劣の組み合わせは、設問の指定に従います。「優れているもの1つ・問題のあるもの2つ」のように一律に決めません。
独自のCVP例で、目標利益の読み落としを確かめる
単一商品を1個2,500円で販売し、1個当たり変動費1,500円、期間固定費300,000円とします。対象範囲では単価・単位変動費・固定費が一定で、販売数量を増やせるものとします。この期間に税引前の目標利益100,000円を得るには何個販売すればよいかを考えてください。
- 求めるものは売上高ではなく、販売数量(個)。
- 1個当たり限界利益は2,500−1,500=1,000円。
- 必要数量は(固定費300,000+目標利益100,000)÷1,000=400個。
- 検算は、売上1,000,000−変動費600,000−固定費300,000=利益100,000円。
固定費だけを限界利益で割ると300個になりますが、それは利益0円となる損益分岐点の数量です。この設問では「目標利益100,000円」という条件が抜けます。公式を知っていても、求める値と条件を先に書く理由がここにあります。
複数商品、数量制約、段階的な固定費、税金などが加われば式を調整します。この単純例をすべてのCVP問題へそのまま使わないでください。次は登録せずCVPを1問体験すると、途中式を分けて確認できます。公式の本試験問題とは別のオリジナル問題です。
計算ミスを工程に分けて残す
「計算が苦手」でまとめず、条件の見落とし、立式、電卓入力、丸め・単位のどこでずれたかを記録します。途中式を残し、数値を元の条件へ戻して検算します。事例Ⅳの記述設問は、計算結果と与件の双方を使って説明します。
計算式一覧は立式の確認に使い、電卓の使用条件は受験年度の公式FAQや試験案内で確認してください。
80分の時間配分は、工程別に測って調整する
次は事例Ⅰ〜Ⅲの練習で試す編集部の配分例です。合格者の平均や、全員に最適な配分ではありません。
| 経過時間 | 工程 | 記録すること |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 全設問の要求・文字数を確認 | 対象・時点・制約の見落とし |
| 5〜25分 | 与件を読み、設問と根拠を対応させる | 探し直した段落 |
| 25〜35分 | 設問ごとの骨子を作る | 要素が決まらず止まった設問 |
| 35〜75分 | 答案を書く | 書き直しが多かった箇所 |
| 75〜80分 | 設問との対応・字数・記入を見直す | 見直しで発見した修正点 |
5+20+10+40+5=80分です。骨子と記述を設問ごとに進める方法もあります。読み返しが長いなら根拠のメモ、文章化が長いなら短い設問での骨子練習を増やし、自分の所要時間で調整します。
事例Ⅳは計算量や配点が設問ごとに異なります。上の「読む20分・書く40分」をそのまま当てはめず、最初に全体を確認し、問題ごとの時間上限と検算の時間を決めて演習します。未完だった設問と原因も残してください。
本番形式を測るときは80分タイマーと答案用紙を利用できます。初回は時間を測らず形式を理解し、その後に未演習の事例を80分で解く方法もあります。一度答案を見た問題の速さを、初見の処理速度と混同しないようにします。
復習では、解答例との差を次の1問へつなげる
公式問題と出題の趣旨を確認し、教材の解答例と自分の答案を比較します。表現が一致したかだけではなく、設問要求・根拠・因果のどこに違いがあるかを点検します。解答例同士の違いも、試験実施団体の判定と同じ扱いにはしません。
| 記録項目 | 記入例 |
|---|---|
| 対象 | 年度・事例・設問番号。独自問題なら問題ID |
| ずれた工程 | 若手育成の助言なのに、設備導入を中心にした |
| 確認した根拠 | 設備増設の予定がない、若手は補助作業のみ |
| 次の修正 | 骨子の前に「対象・制約」を1行で書く |
| 確認日 | 数日後に同じ設問を直し、別の初見問題でも試す |
復習用の欄が必要なら2次試験の復習シートを使えます。答案を保存する場所、次に解く問題、解き直す日まで決めると、比較して終わる状態から先へ進めます。解き直しの間隔は、忘れ方と確保できる時間に合わせて調整してください。
短い演習を、実際の問題で試す
診断士AIの事例Ⅰ〜Ⅲ記述演習はオリジナル60問で、根拠選択・答案作成・観点別の自己評価を練習できます。事例Ⅳ計算トレーナーはオリジナル75問です。公式過去問と併用し、長い事例の演習で見つかった課題を短い問題で練習する使い方を想定しています。
記述演習の自己評価は、AIが公式の採点基準で合否を判定する機能ではありません。まず登録不要のCVP体験で使い方を確認し、記述・計算の両方を試すなら2次対策の7日間無料体験へ進めます。Webの無料体験はカード登録不要で、7日後の自動課金はありません。利用範囲・上限・継続時の条件は料金ページで確認してください。
よくある質問
Q. 2次試験の対策は何から始めればよいですか?
A. 公式問題を1事例選び、設問要求・与件根拠・骨子・答案・復習の順を試します。初めてなら最初は時間を測らず形式を確認し、次に未演習の事例で80分を測ります。年度別の問題は本記事の過去問リンク集から探せます。
Q. 与件文の言葉をそのまま書けばよいですか?
A. 設問に必要な事実を正確に使うことが先です。長い文章を写すだけでは、設問への回答や施策の因果が伝わらない場合があります。意味を変えず必要な部分をまとめ、設問に答えているかを確認してください。
Q. 事例Ⅰ〜Ⅲと事例Ⅳで、同じ時間配分を使えますか?
A. 同じ配分に固定する必要はありません。事例Ⅰ〜Ⅲは読む・骨子を作る・書く時間、事例Ⅳは立式・計算・検算の時間を記録し、設問の量や自分の課題に合わせて調整します。いずれも本番は1事例80分です。
Q. 診断士AIの記述演習で、合否や公式得点は分かりますか?
A. 分かりません。事例Ⅰ〜Ⅲの記述演習は、学習用のオリジナル問題を使い、設問要求・根拠・具体性などを自己評価する教材です。公式の採点や合否判定として扱わず、次の演習で直す点を見つけるために使います。
登録なしで使える1次試験問題は490問。全1,400問・学習履歴・弱点復習は、無料登録後7日間の体験または有料プランで利用できます。