勉強法 読了 13分更新 2026-09-11

中小企業診断士 財務・会計の勉強法|簿記ゼロから始める手順

中小企業診断士の財務・会計を、簿記・CVP・NPVの順で学ぶ手順を解説。4項目の開始点チェック、自作計算例、過去問の復習法、事例Ⅳへのつなぎ方を紹介します。

執筆・編集:診断士AI編集部一次資料との照合:診断士AI編集部編集・検証方針

中小企業診断士の財務・会計は、最初に「分からない箇所」を分ける

財務・会計を始めるとき、簿記の教材を最初から全部終えるべきか、計算問題へすぐ進むべきか迷う方は少なくありません。先に、次の4点を紙に書いて確かめてみましょう。

  1. 貸借対照表で「資産=負債+純資産」となる理由を説明できる
  2. 売上高と売上原価から、売上総利益と売上高総利益率を計算できる
  3. 固定費と変動費を分け、損益分岐点売上高の式を作れる
  4. 1年後に受け取るお金を、割引率から現在価値へ直せる

1と2で止まるなら、仕訳と財務諸表のつながりから始めます。1と2は説明でき、3と4で止まるなら、管理会計とファイナンスへ進みます。すべて説明できるなら、公式問題で条件の読み取りと計算過程を確認する段階です。

これは合否判定ではなく、学習開始点を決めるための点検です。簿記を先に受験するか迷っている方は、診断士と簿記の学習順ガイドも確認してください。

公式問題から逆算して、勉強する範囲を決める

2026年度の第1次試験で、財務・会計は60分・100点の科目です。試験実施団体は年度別の第1次試験問題と第2次試験の事例Ⅳを公開しています。

最初から年度分を通して解く必要はありません。まず問題を見て、次のように分類します。

問題を見たときの状態次にすること
用語や財務諸表の意味が分からないテキストや用語解説へ戻る
使う式は分かるが立式できない数値を小さくした自作例で式を作る
計算できるが選択肢を誤る単位、期間、税、符号など条件を記録する
正答したが理由を説明できない解説を閉じ、別の数値でもう一度解く

年度別の出題数や分野別配点を固定値として覚えるより、受験する年度の公式案内・問題・正解と配点を確認し、自分が説明できない論点を学習対象にします。

ステップ1:簿記と財務諸表を、同じ取引でつなぐ

簿記の知識がない場合も、資格取得そのものを必須条件にする必要はありません。まず一つの取引が、貸借対照表と損益計算書のどこへ動くかを確認します。

例えば、現金100万円で備品を買った直後は、現金が100万円減り、備品が100万円増えます。資産の内訳は変わりますが、資産合計はこの取引だけでは変わりません。借方・貸方の記号だけを覚える前に、「何が増え、何が減ったか」を書くと財務諸表へつながります。

次に、売上高2,000万円、売上原価1,500万円なら、売上総利益は500万円です。売上高総利益率は500÷2,000×100=25%。分母は売上原価ではなく売上高です。売上高総利益率などの意味は、日本政策金融公庫の財務指標の説明でも確認できます。

ステップ2:管理会計は、式を作ってから数字を入れる

CVP分析では、公式の暗記より先に費用の関係を書きます。

自作例:売上高1,000万円、変動費600万円、固定費300万円。損益分岐点売上高を求める。

  • 変動費率:600÷1,000=0.6
  • 限界利益率:1−0.6=0.4
  • 損益分岐点売上高:300÷0.4=750万円
  • 安全余裕率:(1,000−750)÷1,000×100=25%

答えを見た後は、変動費を500万円に変えて解き直します。限界利益率は0.5、損益分岐点売上高は600万円です。数字が変わっても式を作れれば、答えの記憶と理解を分けられます。公式だけを一覧で確認したい場合は、事例Ⅳの頻出公式集を使えます。

ステップ3:ファイナンスは「いつ受け取るか」を図にする

現在価値は、お金を受け取る時点をそろえて比較する考え方です。

自作例:今100万円を投資し、1年後に110万円を受け取る。割引率は5%とする。

1年後の110万円の現在価値は、110÷1.05=約104.76万円です。したがってNPVは、104.76−100=約4.76万円となります。

ここで「110−100=10万円」だけを答えにすると、受取時点の違いを反映できません。複数年、税、減価償却、運転資本が加わる問題でも、まず時点ごとのキャッシュフローを並べてから割り引きます。

1問ごとに「解く→原因を残す→別条件で解く」

財務・会計の復習は、正誤だけで終わらせません。1問について次の順で回します。

  1. 何を求める問題か、単位と時点に線を引く
  2. 数字を入れる前に式を書く
  3. 解説と比べ、ずれた箇所を一つに絞る
  4. 翌回は解説を閉じ、数字を変えた例で解く
  5. 根拠を説明できたら別の論点へ進む

「計算ミス」とだけ書くと、次に何を直すか分かりません。「万円を円へ直し忘れた」「税引後キャッシュフローなのに税率をもう一度掛けた」のように原因を残します。記録方法は過去問の使い方と間違いノートの実例で詳しく説明しています。

毎日何問、何時間が最適かは一律に決まりません。短い日には1問の式と検算だけ、時間が取れる日には複数論点を通して解くなど、説明できなかった問題の数に合わせます。

1次の知識を、事例Ⅳで使える形にする

第1次試験は多肢選択式ですが、第2次試験の事例Ⅳでは、与えられた資料から必要な数値を選び、計算過程や判断を組み立てます。第1次対策でも、正解の記号に加えて次の一文を残すと接続しやすくなります。

  • 経営分析:どの数値を分子・分母にし、その指標が何を表すか
  • CVP:何を固定費・変動費として扱い、売上の変化が利益へどう届くか
  • NPV:どの時点のキャッシュフローを、どの率で割り引いたか

第1次と事例Ⅳを通した論点整理は、財務・会計の1次・2次攻略ガイドに分けています。このページでは、初学者が第1次の学習開始点を決め、1問を復習する手順に絞ります。

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よくある質問

Q. 簿記3級に合格してから財務・会計を始めるべきですか?
A. 簿記資格は中小企業診断士試験の受験条件ではありません。仕訳と財務諸表の基礎が曖昧なら簿記の入門範囲から補い、説明できるなら管理会計やファイナンスへ進む方法があります。

Q. 財務・会計には何時間必要ですか?
A. 一律の必要時間では決められません。上の4点を確認し、説明できない範囲と受験までに使える時間から計画します。

Q. 過去問はいつから解けばよいですか?
A. 学んだ論点に対応する1問から始められます。公式問題を最初から通して解けない場合も、用語確認と例題へ戻る材料にできます。

Q. 正答した問題も復習しますか?
A. 勘で選んだ問題や、式・理由を説明できない問題は復習候補です。根拠まで説明できる問題は間隔を空け、別の弱点へ進みます。

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診断士AI 編集部

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