原価計算とは?|「たこ焼き屋」でわかる直接費・間接費・損益分岐点のつながり
原価計算を「たこ焼き屋」にたとえてわかりやすく解説。直接費・間接費、全部原価計算・直接原価計算の違い、CVP分析とのつながりを初心者向けに解説。診断士試験・事例Ⅳ頻出。
原価計算を30秒で理解する
原価計算は「これ1個作るのに、いくらかかってる?」を正確に出す技術です。
あなたがたこ焼き屋を経営しているとします。
たこ焼き1パック(8個入り)を作るのにかかるコスト:
- たこ、小麦粉、ソース:150円(材料費 = 直接材料費)
- たこ焼きを焼く店員の人件費:1パックあたり100円(直接労務費)
- 店の家賃、光熱費、たこ焼き機の減価償却費:1パックあたり50円(製造間接費)
原価 = 150 + 100 + 50 = 300円
500円で売れば、1パックあたり200円の利益。この「300円」を正確に計算するのが原価計算です。
直接費と間接費
| 区分 | 意味 | たこ焼き屋の例 |
|---|---|---|
| 直接費 | 製品1個ごとに「いくら使ったか」が明確にわかるコスト | たこ・小麦粉(直接材料費)、焼き手の時給(直接労務費) |
| 間接費 | 複数の製品に共通でかかり、1個あたりに直接紐づけにくいコスト | 店の家賃、電気代、たこ焼き機の減価償却 |
間接費の「配賦(はいふ)」が原価計算の最大のポイント。
例えば、家賃が月30万円。たこ焼きを月6,000パック作るなら、1パックあたり50円。しかし、たこ焼き以外に焼きそばも売っていたら?家賃をどう按分するかが問題になります。
2つの原価計算方法
全部原価計算
すべてのコスト(変動費+固定費)を製品原価に含める。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 直接材料費 | 150円 |
| 直接労務費 | 100円 |
| 製造間接費(固定費含む) | 50円 |
| 製品原価 | 300円 |
財務諸表(外部報告)で使う公式の方法。簿記で学ぶのはこちら。
直接原価計算
変動費だけを製品原価に含め、固定費は期間費用として別に処理する。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 直接材料費 | 150円 |
| 直接労務費(変動分) | 100円 |
| 製品原価(変動費のみ) | 250円 |
| 固定費(家賃等)は別計上 | — |
経営判断に使うのはこちら。 なぜなら、「あと1パック売ったらいくら儲かるか」を判断するには、変動費だけを見た方が正確だから。
CVP分析とのつながり
直接原価計算を理解すると、損益分岐点(CVP分析)が簡単に計算できます。
たこ焼き屋の例:
- 販売価格:500円/パック
- 変動費:250円/パック
- 限界利益:250円/パック
- 固定費(月額):30万円
損益分岐点 = 30万円 ÷ 250円 = 1,200パック/月
月1,200パック以上売れば黒字。これが経営判断に直結する情報です。
診断士試験での出題パターン
1次試験(財務・会計)
- 「直接原価計算と全部原価計算の営業利益の差が生じる原因は?」→ 期末在庫に含まれる固定費の差
- 「製造間接費の配賦基準として適切なものはどれか」
- 「標準原価計算における差異分析」→ 価格差異と数量差異に分解
2次試験(事例Ⅳ)
- 「A社の製品別の収益性を分析せよ」→ 直接原価計算で限界利益を算出
- 「新製品の損益分岐点売上高を求めよ」→ 変動費率と固定費から計算
- 「製品ミックスの最適化を提案せよ」→ 限界利益率で優先順位をつける
全部原価計算 vs 直接原価計算:どっちが大事?
試験対策としては、両方必要。 しかし、経営判断で使うのは直接原価計算です。
全部原価計算は「ルール通りに計算する」問題。直接原価計算は「経営判断をする」問題。2次試験では後者が圧倒的に重要です。
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