用語集 読了 9分2026-03-24

原価計算とは?|「たこ焼き屋」でわかる直接費・間接費・損益分岐点のつながり

原価計算を「たこ焼き屋」にたとえてわかりやすく解説。直接費・間接費、全部原価計算・直接原価計算の違い、CVP分析とのつながりを初心者向けに解説。診断士試験・事例Ⅳ頻出。

原価計算を30秒で理解する

原価計算は「これ1個作るのに、いくらかかってる?」を正確に出す技術です。

あなたがたこ焼き屋を経営しているとします。

たこ焼き1パック(8個入り)を作るのにかかるコスト:

  • たこ、小麦粉、ソース:150円(材料費 = 直接材料費)
  • たこ焼きを焼く店員の人件費:1パックあたり100円(直接労務費)
  • 店の家賃、光熱費、たこ焼き機の減価償却費:1パックあたり50円(製造間接費)

原価 = 150 + 100 + 50 = 300円

500円で売れば、1パックあたり200円の利益。この「300円」を正確に計算するのが原価計算です。


直接費と間接費

区分意味たこ焼き屋の例
直接費製品1個ごとに「いくら使ったか」が明確にわかるコストたこ・小麦粉(直接材料費)、焼き手の時給(直接労務費)
間接費複数の製品に共通でかかり、1個あたりに直接紐づけにくいコスト店の家賃、電気代、たこ焼き機の減価償却

間接費の「配賦(はいふ)」が原価計算の最大のポイント。

例えば、家賃が月30万円。たこ焼きを月6,000パック作るなら、1パックあたり50円。しかし、たこ焼き以外に焼きそばも売っていたら?家賃をどう按分するかが問題になります。


2つの原価計算方法

全部原価計算

すべてのコスト(変動費+固定費)を製品原価に含める。

項目金額
直接材料費150円
直接労務費100円
製造間接費(固定費含む)50円
製品原価300円

財務諸表(外部報告)で使う公式の方法。簿記で学ぶのはこちら。

直接原価計算

変動費だけを製品原価に含め、固定費は期間費用として別に処理する。

項目金額
直接材料費150円
直接労務費(変動分)100円
製品原価(変動費のみ)250円
固定費(家賃等)は別計上

経営判断に使うのはこちら。 なぜなら、「あと1パック売ったらいくら儲かるか」を判断するには、変動費だけを見た方が正確だから。


CVP分析とのつながり

直接原価計算を理解すると、損益分岐点(CVP分析)が簡単に計算できます。

たこ焼き屋の例:

  • 販売価格:500円/パック
  • 変動費:250円/パック
  • 限界利益:250円/パック
  • 固定費(月額):30万円

損益分岐点 = 30万円 ÷ 250円 = 1,200パック/月

月1,200パック以上売れば黒字。これが経営判断に直結する情報です。


診断士試験での出題パターン

1次試験(財務・会計)

  • 「直接原価計算と全部原価計算の営業利益の差が生じる原因は?」→ 期末在庫に含まれる固定費の差
  • 「製造間接費の配賦基準として適切なものはどれか」
  • 「標準原価計算における差異分析」→ 価格差異と数量差異に分解

2次試験(事例Ⅳ)

  • 「A社の製品別の収益性を分析せよ」→ 直接原価計算で限界利益を算出
  • 「新製品の損益分岐点売上高を求めよ」→ 変動費率と固定費から計算
  • 「製品ミックスの最適化を提案せよ」→ 限界利益率で優先順位をつける

全部原価計算 vs 直接原価計算:どっちが大事?

試験対策としては、両方必要。 しかし、経営判断で使うのは直接原価計算です。

全部原価計算は「ルール通りに計算する」問題。直接原価計算は「経営判断をする」問題。2次試験では後者が圧倒的に重要です。

📌 あわせて読みたい: 損益分岐点とは?キャッシュフロー計算書とは?財務・会計の勉強法

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