需要曲線と供給曲線とは?|「マスクの値段が爆上がりした理由」でわかるミクロ経済学の基礎
需要曲線・供給曲線・均衡価格をマスク不足にたとえてわかりやすく解説。価格弾力性、市場メカニズム、診断士試験の経済学・経済政策の基礎を初心者向けに解説。
需要と供給を30秒で理解する
2020年、マスクの値段が10倍になりました。なぜか。
- 需要が爆増:全国民がマスクを求めた
- 供給が追いつかない:工場の生産能力に限界がある
欲しい人が増えて、商品が足りない → 値段が上がる。
これが需要と供給の法則です。経済学の全ての基礎がここにあります。
需要曲線:「安ければたくさん買う」
値段が下がれば、買いたい人が増える。
マスク1枚が500円なら10枚しか買わないけど、50円なら100枚買う。
グラフにすると右下がりの曲線になります。
- 横軸:数量
- 縦軸:価格
- 価格が下がる → 需要量が増える → 右下がり
需要曲線が「シフト」する場合
曲線そのものが左右に動くケースがあります。
- 右にシフト(需要増加):パンデミックでマスクの需要が爆増
- 左にシフト(需要減少):パンデミック終息でマスク需要が減少
価格が変わって量が変わるのは「曲線上の移動」。価格以外の要因で需要全体が変わるのは「曲線のシフト」。 この区別が超重要です。
供給曲線:「高く売れるならたくさん作る」
値段が上がれば、作りたい企業が増える。
マスク1枚500円で売れるなら、新規参入してでも作りたい企業が増える。50円なら利益が出ないから作らない。
グラフにすると右上がりの曲線。
- 価格が上がる → 供給量が増える → 右上がり
均衡価格:「需要と供給が一致する点」
需要曲線と供給曲線が交わる点が均衡点。そのときの価格が均衡価格。
均衡価格では「買いたい量 = 売りたい量」。市場が安定している状態です。
均衡が崩れるとどうなる?
| 状態 | 何が起きる | 結果 |
|---|---|---|
| 需要 > 供給 | 商品が足りない(品薄) | 価格が上がる |
| 需要 < 供給 | 商品が余る(在庫過多) | 価格が下がる |
マスク不足 → 需要 > 供給 → 価格上昇 → 高値を見て新規参入が増える → 供給増加 → やがて価格が下がる。 これが市場メカニズム(「見えざる手」)です。
価格弾力性:「値段を変えたら、どれくらい売上が変わる?」
弾力性 = 需要量の変化率 ÷ 価格の変化率
| 弾力性 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 弾力性が大きい(>1) | 値上げすると売上が大きく減る | 嗜好品(高級チョコ、旅行) |
| 弾力性が小さい(<1) | 値上げしてもあまり売上が減らない | 生活必需品(米、トイレットペーパー) |
| 弾力性=0 | 値段に関係なく同じ量を買う | 処方薬、水道水 |
経営判断への応用: 弾力性が小さい商品(必需品)は値上げしやすい。弾力性が大きい商品(嗜好品)は値上げに慎重に。
診断士試験での出題パターン
1次試験(経済学・経済政策)
- 「需要曲線が右にシフトする要因はどれか」→ 所得の増加、代替品の価格上昇、消費者の嗜好変化
- 「均衡価格が上昇する条件はどれか」→ 需要増加 or 供給減少
- 「価格弾力性が1より大きい場合、値下げすると売上高はどうなるか」→ 増加
- 「余剰分析」「消費者余剰と生産者余剰」の計算
グラフ問題の攻略法
経済学はグラフの問題が多い。「需要は右下がり、供給は右上がり」を手で描く練習をしてください。曲線がシフトしたらどうなるか、自分の手で描けば理解が深まります。
経済学が「使える」瞬間
「経済学は机上の空論」と思っていませんか?
- 原材料が値上がりした → 供給曲線の左シフト → 自社の販売価格にどう影響?
- 円安が進んだ → 輸入品の価格が上がる → 代替品としての国産品の需要はどうなる?
- 最低賃金が引き上げられた → 労働市場の均衡がどう変わる?
ニュースの裏側が全部わかるようになる。 これが経済学を学ぶ本当の価値です。
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