用語集 読了 10分2026-03-24
財務分析の主要指標まとめ|「会社の通信簿」を読めるようになる収益性・安全性・効率性
中小企業診断士の財務分析で頻出の経営指標(収益性・安全性・効率性・成長性)をわかりやすく一覧で解説。ROE・流動比率・自己資本比率・棚卸資産回転率など、事例Ⅳ対策に必須の指標を網羅。
財務分析を30秒で理解する
財務分析は「会社の通信簿をつける」ことです。
通信簿には「国語」「数学」「体育」がありますよね。会社の通信簿にも科目があります。
| 科目 | 何を見る? | 一言で |
|---|---|---|
| 収益性 | 儲かっているか? | 「稼ぐ力」 |
| 安全性 | 潰れないか? | 「守る力」 |
| 効率性 | 資産をうまく使っているか? | 「回す力」 |
| 成長性 | 伸びているか? | 「伸びる力」 |
この4つの視点で会社を評価する。 それが財務分析です。
1. 収益性:「稼ぐ力」
| 指標 | 計算式 | 意味 | 目安 |
|---|---|---|---|
| 売上高総利益率(粗利率) | 売上総利益 ÷ 売上高 | 商品力・仕入力 | 業種による(小売20〜30%、製造30〜50%) |
| 売上高営業利益率 | 営業利益 ÷ 売上高 | 本業の稼ぐ力 | 5%以上で優良 |
| 売上高経常利益率 | 経常利益 ÷ 売上高 | 財務活動含めた稼ぐ力 | 5%以上で優良 |
| ROE | 当期純利益 ÷ 自己資本 | 株主視点の収益力 | 8%以上で優良 |
| ROA | 当期純利益 ÷ 総資産 | 全資産の収益力 | 5%以上で優良 |
事例Ⅳでの使い方
「A社の収益性を分析せよ」と言われたら、売上高営業利益率とROAを計算し、同業他社や前年と比較する。
2. 安全性:「守る力」
| 指標 | 計算式 | 意味 | 目安 |
|---|---|---|---|
| 流動比率 | 流動資産 ÷ 流動負債 × 100 | 短期的な支払い能力 | 200%以上で安全 |
| 当座比率 | 当座資産 ÷ 流動負債 × 100 | より厳しい短期支払い能力 | 100%以上で安全 |
| 自己資本比率 | 自己資本 ÷ 総資産 × 100 | 長期的な安定性 | 40%以上で安全 |
| 固定比率 | 固定資産 ÷ 自己資本 × 100 | 固定資産の調達バランス | 100%以下が理想 |
| 固定長期適合率 | 固定資産 ÷ (自己資本+固定負債) × 100 | 長期資金で固定資産をカバーしているか | 100%以下が必須 |
たとえ話
- 流動比率 = 「来月の支払い(流動負債)に対して、すぐ使えるお金(流動資産)が2倍あるか?」
- 自己資本比率 = 「会社の資産のうち、借金ではなく自分のお金で賄っている割合はどれくらい?」
流動比率 vs 当座比率
流動資産には「棚卸資産(在庫)」が含まれる。在庫はすぐに現金化できるとは限らない。当座比率は在庫を除いた、より厳しい指標。
3. 効率性:「回す力」
| 指標 | 計算式 | 意味 | 目安 |
|---|---|---|---|
| 総資産回転率 | 売上高 ÷ 総資産 | 全資産の活用度 | 1.0回以上 |
| 棚卸資産回転率 | 売上高 ÷ 棚卸資産 | 在庫の回転速度 | 高いほど良い |
| 売上債権回転率 | 売上高 ÷ 売上債権 | 代金回収のスピード | 高いほど良い |
| 有形固定資産回転率 | 売上高 ÷ 有形固定資産 | 設備の稼働率 | 高いほど良い |
たとえ話
- 棚卸資産回転率 = 「在庫がどれくらいの速さで売れているか?」。回転率が低い = 在庫が倉庫に眠っている = 不良在庫のリスク。
- 売上債権回転率 = 「お客様からの代金をどれくらい早く回収できているか?」。回転率が低い = 代金回収が遅い = 資金繰りが厳しくなる。
回転期間への変換
回転期間(日数) = 365 ÷ 回転率
棚卸資産回転率が12回 → 365 ÷ 12 ≒ 30日(在庫が30日で1回転)
4. 成長性:「伸びる力」
| 指標 | 計算式 | 意味 |
|---|---|---|
| 売上高成長率 | (当期売上 − 前期売上) ÷ 前期売上 × 100 | 売上の伸び率 |
| 経常利益成長率 | (当期経常利益 − 前期経常利益) ÷ 前期経常利益 × 100 | 利益の伸び率 |
事例Ⅳの経営分析問題の攻略法
事例Ⅳの第1問は、ほぼ毎年「経営分析」です。典型パターン:
「A社の財務諸表から、優れている指標と課題のある指標をそれぞれ2つ選び、分析せよ」
解答の型
- 指標名を書く(例:売上高営業利益率)
- 計算結果を書く(例:8.5%)
- 同業他社との比較(例:業界平均5%と比較して高い)
- 原因を簡潔に書く(例:高付加価値製品の販売比率が高いため)
よく出る組み合わせ
- 収益性が良い + 効率性が悪い → 「利益率は高いが在庫が多い」
- 安全性が悪い + 収益性が良い → 「稼いでいるが借金依存」
- 効率性が良い + 安全性が悪い → 「回転は速いが財務基盤が弱い」
📌 あわせて読みたい: ROEとROAの違い|損益分岐点とは?|キャッシュフロー計算書とは?|財務・会計の勉強法
📣 記事の内容を実践してみよう
🐕