減価償却とは?|「車の価値が毎年下がる」で理解する会計の超基本概念
減価償却を「マイカーの価値」にたとえてわかりやすく解説。定額法・定率法の違い、なぜ費用になるのか、キャッシュフローとの関係、診断士試験での計算パターンを初心者向けに解説。
減価償却を30秒で理解する
「300万円の車を買った。でも10年後の価値は30万円。毎年27万円ずつ価値が減っている。この『価値の減少』を費用として計上するのが減価償却。」
これで終わりです。本質はこれだけ。
なぜ減価償却が必要なのか
理由:「使った年に費用にする」のが正しいから
300万円の機械を買って、5年間使うとします。
減価償却しない場合:
- 1年目:300万円の費用が一気に計上 → 大赤字
- 2〜5年目:費用ゼロ → 利益が大きく見える
減価償却する場合:
- 毎年60万円ずつ費用を計上 → 5年間で利益が平準化
「使っている期間にわたって、少しずつ費用にする」——これが減価償却の目的です。「費用と収益を対応させる(費用収益対応の原則)」とも言います。
定額法と定率法
定額法:毎年同じ金額を償却
取得価額 × 定額法の償却率 = 毎年の償却費
300万円の機械、耐用年数5年の場合: 300万 × 0.2 = 毎年60万円
| 年 | 償却費 | 帳簿価額 |
|---|---|---|
| 1年目 | 60万円 | 240万円 |
| 2年目 | 60万円 | 180万円 |
| 3年目 | 60万円 | 120万円 |
| 4年目 | 60万円 | 60万円 |
| 5年目 | 60万円 | 0円(残存価額) |
メリット: 計算が簡単。利益が安定する。
定率法:最初に多く、だんだん少なく
期首帳簿価額 × 定率法の償却率 = その年の償却費
300万円の機械、償却率0.4の場合:
| 年 | 期首帳簿 | 償却費 | 期末帳簿 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 300万 | 120万 | 180万 |
| 2年目 | 180万 | 72万 | 108万 |
| 3年目 | 108万 | 43.2万 | 64.8万 |
メリット: 早期に多く費用化 → 節税効果が早い。
「費用なのにお金が出ていかない」の謎
減価償却は「非現金支出費用」です。
機械を買ったとき、300万円の現金は出ていった(キャッシュアウト)。でも、減価償却費60万円を計上するとき、現金は出ていかない。費用の計上と現金の流出はタイミングが違う。
これがキャッシュフロー計算書で重要になります。
営業CFの計算(間接法): 当期純利益に減価償却費を加算する。
なぜ加算? P/Lで費用として引いた(利益を減らした)けど、実際に現金は出ていないから、CFでは戻す。
「減価償却費の加算」は事例Ⅳで毎年出る超頻出論点です。
タックスシールド(節税効果)
減価償却費は費用なので、利益を減らします。利益が減れば、税金も減る。
タックスシールド = 減価償却費 × 税率
減価償却費60万円、法人税率30%の場合: 60万 × 30% = 18万円の節税
実際のキャッシュフロー = 利益 + 減価償却費 − 税金
設備投資の意思決定(NPV計算)で、タックスシールドの考慮は必須です。
診断士試験での出題パターン
1次試験(財務・会計)
- 「定額法と定率法の特徴の違いを述べよ」
- 「耐用年数5年、取得価額100万円の減価償却費を定額法で求めよ」
- 「減価償却が営業キャッシュフローに与える影響」
2次試験(事例Ⅳ)
- 「新規設備投資の各年度のキャッシュフローを計算せよ」→ 減価償却費の加算+タックスシールドの計算
- 「取替投資における旧設備と新設備の減価償却費の差額が利益に与える影響」
- NPV計算の中で、減価償却による節税効果を織り込む
事例Ⅳの設備投資問題は、ほぼ100%減価償却の計算が絡みます。 定額法の計算を確実にできるようにしておいてください。
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