用語集 読了 9分2026-03-24

NPV(正味現在価値)とIRR(内部収益率)とは?|「今の100万円と5年後の100万円は違う」を数字で理解する

NPV(正味現在価値)とIRR(内部収益率)を「定期預金」にたとえてわかりやすく解説。割引率の意味、投資判断の方法、診断士試験・事例Ⅳでの計算パターンを初心者向けに解説。

NPVを30秒で理解する

「今の100万円と、5年後の100万円、どっちが価値がある?」

答えは「今の100万円」。なぜなら、今の100万円を年利5%で運用すれば、5年後には約128万円になるから。

逆に言うと、5年後の100万円は、今の価値に直すと約78万円。 これが「現在価値」の考え方です。

NPV(正味現在価値) = 投資から得られる将来のキャッシュフローを「今の価値」に直して合計し、投資額を引いたもの。


具体例:設備投資の判断

新しい機械を500万円で買うか検討中。この機械を使うと、毎年150万円のキャッシュフローが5年間得られる。割引率は5%。

キャッシュフロー現在価値(5%で割引)
0年目−500万円−500万円
1年目150万円142.9万円
2年目150万円136.1万円
3年目150万円129.6万円
4年目150万円123.4万円
5年目150万円117.5万円
合計NPV = 149.5万円

NPV = +149.5万円 → プラスなので「投資すべき」。

NPVがプラス → その投資は価値を生む → GO NPVがマイナス → その投資は価値を破壊する → NO GO NPVがゼロ → トントン


割引率とは何か

**「将来のお金を今の価値に直すときに使う利率」**です。

割引率が高い = 将来のお金の価値を低く評価する = 投資のハードルが高い 割引率が低い = 将来のお金の価値を高く評価する = 投資のハードルが低い

実務では、WACCや資本コストを割引率として使います。


IRR(内部収益率)とは

IRRは「NPVがゼロになる割引率」です。

さっきの機械投資の例で、割引率を上げていくと、いつかNPVがゼロになる。その割引率がIRR。

この例ではIRR ≒ 15.2%

IRRの使い方:

  • IRR > 資本コスト(ハードルレート) → 投資すべき
  • IRR < 資本コスト → 投資すべきではない

「この投資の利回りは15.2%。うちの資本コストは5%。差し引き10%以上のリターンがあるから、投資する価値がある」——という判断ができます。


NPVとIRRの違い

NPVIRR
答えの単位金額(○○万円)利率(○○%)
判断基準プラスなら投資ハードルレートより高ければ投資
メリット金額で投資の規模感がわかる利率なので直感的にわかりやすい
限界割引率の設定が主観的複数の解が出る場合がある

基本的にはNPVが優先。 NPVとIRRで判断が矛盾する場合は、NPVを採用するのが正しいとされています(試験でも出る)。


診断士試験での出題パターン

1次試験(財務・会計)

  • 「NPVを計算せよ」→ 各年のCFを現在価値に割引いて合計
  • 「年金現価係数を用いてNPVを求めよ」→ 毎年同額のCFの場合に使う便利な係数
  • 「IRRの定義として正しいものはどれか」

2次試験(事例Ⅳ)

  • 事例Ⅳの定番問題。 「設備投資の可否をNPVで判断せよ」はほぼ毎年出題
  • 「投資案AとBのNPVを比較し、有利な投資案を選択せよ」
  • 計算では年金現価係数表が与えられることが多い

計算のコツ

年金現価係数を使えば一発。

毎年同額のCF(150万円×5年、割引率5%)の場合: NPV = 150万 × 年金現価係数(5%, 5年) − 500万 = 150万 × 4.329 − 500万 = 649.4万 − 500万 = 149.4万円

試験では年金現価係数表が与えられるので、暗記不要。「毎年同額CF → 年金現価係数を使う」を反射的に思い出せればOK。

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診断士AI 編集部

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