中小企業診断士【経営法務】の重要用語30選|合格者が解説する攻略ガイド
中小企業診断士試験「経営法務」の重要用語30選を合格者が徹底解説。会社法・知的財産権・M&A・民法の頻出テーマ別に整理し、法律未経験者でも理解できる具体例と試験攻略法を網羅。ミニマム学習で60点を確保する戦略ガイド。
経営法務は「法律の考え方」が違う——社会人常識が通用しない罠
4年間の受験生活で、経営法務ほど「社会人の常識感覚が邪魔をする」科目はありませんでした。「この場合、普通こうするよね」という感覚で解くと必ず引っかかるのです。
法律の世界では、条文の文言通りに解釈することが原則です。「なんとなくこうだろう」ではなく「会社法第○条に規定されているから」という思考習慣に切り替えることが、この科目を攻略するための第一歩です。
この記事では、私が繰り返し誤答した問題の背景にある重要用語を会社法・知的財産権・M&A・民法の4分野に分けて解説します。
会社法:株式会社の仕組みを正確に理解する
会社法は経営法務の最大の柱です。特に「機関設計」は毎年のように出題されます。
会社の種類と設立
- 会社法:株式会社・合同会社など会社の設立・運営を規定する法律。2006年施行
- 株式会社:出資者(株主)が有限責任を負う会社形態。試験では他の会社形態との比較が重要
- 合同会社(LLC):全社員が有限責任。設立コストが低く近年注目
- 合名会社:全社員が無限責任を負う。個人の財産まで責任が及ぶ
- 合資会社:有限責任社員と無限責任社員が混在する形態
- 発起設立:発起人全員が設立時に株式を引き受ける最も一般的な設立方法
- 定款:会社の基本ルールを定めた文書。変更には株主総会の特別決議が必要
株式会社の機関設計
ここが最も複雑で、かつ最も出題頻度が高い領域です。
- 機関設計:会社の意思決定・業務執行・監督の仕組み。会社規模によって選択肢が異なる
- 株式会社の機関設計:取締役会設置・監査役設置・委員会設置の組み合わせを理解する
- 株主総会:会社の最高意思決定機関。普通決議(過半数)と特別決議(2/3以上)の区別が頻出
- 取締役:業務執行を担当する役員。善管注意義務・忠実義務を負う
- 取締役会:取締役で構成される意思決定機関。3名以上の取締役が必要
- 監査役:取締役の職務執行を監査する機関
- 指名委員会等設置会社:指名・監査・報酬の3委員会を設置する大企業向け形態
- 所有と経営の分離:株主(所有)と経営者(経営)が異なる原則
- 内部統制:企業内の業務プロセスを適切に管理・監視する仕組み
- 競業避止義務:取締役が自社と競合する行為を禁じる義務
- 利益相反取引:取締役が自己の利益のために会社と取引すること。取締役会の承認が必要
知的財産権:産業財産権と著作権を区別する
知的財産権は「4種類の産業財産権の違い」を整理することが最優先です。
産業財産権の4種類
試験では「存続期間」と「保護対象」が必ず問われます。
- 特許権の存続期間:出願から20年。発明を保護する最強の権利
- 実用新案権:出願から10年。「物品の形状・構造・組み合わせ」を保護。無審査で登録
- 意匠権:出願から25年(2020年改正)。デザイン・外観を保護
- 商標権:設定登録から10年(更新可)。商品・サービスの識別標識を保護
- 著作権:創作と同時に発生(登録不要)。著作者の死後70年存続
- 不正競争防止法:商品形態の模倣や営業秘密の侵害を禁止する法律
- 営業秘密:不正競争防止法で保護される秘密情報。秘密管理性・有用性・非公知性の3要件
- パテントプール:複数企業が特許をまとめて相互利用する仕組み
- パリ条約:工業所有権の国際保護の基本条約。優先権制度が重要
M&A・組織再編:試験で差がつく領域
- M&A:企業の合併・買収の総称。近年は中小企業の事業承継手段として注目
- 新設合併と吸収合併:合併の2形態。存続会社の有無が違う
- 株式交換と株式移転:完全親子関係を作る組織再編手法
- 事業譲渡:事業の一部または全部を別の会社に移転する手法
- IPO(株式公開):株式を証券市場に上場して広く資金を調達する手続き
民法・その他:契約と相続を押さえる
- 民法:私人間の権利義務を規定する基本法。2020年に大幅改正
- 民法の契約総論:契約の成立・有効・効力・解除の仕組み。改正民法の内容に注意
- 債権譲渡:債権を第三者に移転すること。対抗要件の理解が必要
- 相続と事業承継:被相続人の財産・権利義務が相続人に承継される仕組み
- NDA(秘密保持契約):機密情報を保護するための契約書
試験攻略のポイント
1. 「機関設計」は選択肢のパターンを覚える 株式会社の機関設計問題は、「取締役会あり/なし × 監査役あり/なし × 委員会あり/なし」の組み合わせです。許容される組み合わせを一覧表にして暗記してください。
2. 知的財産権は「存続期間表」を作る 特許20年・実用新案10年・意匠25年・商標10年(更新可)・著作権70年(死後)を、試験直前まで毎日見返してください。
3. 法改正情報は毎年確認する 会社法・民法・知財法は改正頻度が高い。受験年度の法改正ポイントを必ず確認してください。
4. 条文の「数字」を正確に記憶する 経営法務では「何名以上」「何分の何以上」という数字が正解を分けます。あいまいな記憶は禁物です。
まとめ
経営法務は苦手とする受験生が多いですが、「機関設計 + 知的財産権」の2本柱を固めるだけで大幅に得点が安定します。
詳細な用語解説は用語集で、苦手分野の診断は診断テストでご確認ください。
この記事を書いた人:法律知識ゼロから中小企業診断士試験経営法務で60点以上を取得。「条文の数字を疑わない」訓練が最大の転機でした。
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