ミクロ経済学経済学

完全競争市場とは?

教科書的な定義

多数の売り手と買い手が存在し、財が同質で、情報が完全で、参入・退出が自由な市場。個々の企業はプライステイカーとして行動し、価格=限界費用で生産する。

図でつかむ経済学・経済政策

完全競争市場を、ひと目で。

市場全体の需要と供給で決まった価格を、個別企業は受け入れます。企業が選ぶのは、その価格でどれだけ生産するかです。

完全競争市場の2つの図。市場全体の図では需要Dと供給Sの交点で価格40が決まり、個別企業の図では水平なP=MRと上昇するMCの交点で生産量q*=5を検討する。
左のQは市場全体の数量、右のqは個別企業の数量。価格は共通でも、数量の軸は別です。
ここを覚える

価格は市場から受け取り、生産量と操業の可否を判断する。

  1. 01

    市場を見る

    市場全体では需要Dと供給Sの交点が均衡価格P*を決めます。個別企業は価格を動かせないプライステイカーです。

  2. 02

    企業を見る

    企業が直面する価格は水平で、P=MR=AR。短期はMCの上昇部分でP=MCとなる生産量を検討します。

  3. 03

    操業できるか確認

    価格がAVC(平均可変費用)の最低値を下回れば操業停止。上回れば操業し、等しい場合は操業と停止の損益が同じになります。

MCの上昇部分に注目した短期の概念図で、数値は説明用です。停止しても回避できない固定費を前提とします。P=MCだけでは黒字を意味せず、操業の可否も別に確認します。

ざっくり言うと

理想の市場を想像してください。①売り手も買い手もめちゃくちゃ多い②商品は全部同じ③誰でも自由に参入・退出できる④みんな完璧な情報を持っている。こんな夢のような市場が完全競争市場。現実にはほぼ存在しない「理論上の理想形」です。

もう少し詳しく

市場全体では需要曲線と供給曲線の交点で価格が決まります。一方、個別企業はその価格を受け入れるため、企業が直面する需要曲線は水平で、P(価格)=MR(限界収入)=AR(平均収入)です。通常のU字型費用曲線を前提に、短期はMC(限界費用)の上昇部分でP=MCとなる生産量を検討し、操業停止時と損益を比較します。PがAVC(平均可変費用)の最低値を下回るなら操業停止、上回るなら生産を続けます。等しい場合は生産と停止の損益が同じです。AC(平均総費用)を下回る価格でもAVCを賄えれば、赤字のまま操業する場合があります。自由な参入・退出が進む標準的な長期均衡では、P=MC=ACとなり超過利潤はゼロになります。

具体例

架空の企業で、市場価格10円のときの利潤最大化生産量を100個とします。この生産量でAVC(平均可変費用)は8円、AC(平均総費用)は12円、固定費は短期に回避できないものと仮定します。売上1,000円、可変費800円、総費用1,200円なので、生産すれば200円の赤字です。一方、停止しても固定費400円(1,200−800)が残り、赤字は400円になります。生産を続けた方が損失を200円小さくできます。短期の操業判断では、黒字か赤字かに加え、売上で可変費を賄えるかを確認します。

試験対策ポイント

短期の供給曲線=MC曲線のAVC以上の部分、操業停止点=AVCの最低点は頻出。長期均衡で超過利潤ゼロになる理由を論理的に説明できること。

よく比較される用語

パレート最適との違い

完全競争市場は「多数の売り手と買い手が存在し、財が同質で、情報が完全で、参入・退出が自由な市場。個々の企業はプライス…」であるのに対し、パレート最適は「誰かの効用を下げずには他の誰の効用も上げることができない資源配分の状態。完全競争市場の均衡はパレート…」という違いがあります。

限界費用との違い

完全競争市場は「多数の売り手と買い手が存在し、財が同質で、情報が完全で、参入・退出が自由な市場。個々の企業はプライス…」であるのに対し、限界費用は「生産量を1単位追加したときに増加する総費用。企業の最適生産量の決定において、限界収入と限界費用が等し…」という違いがあります。

「完全競争市場」のよくある質問

Q. 完全競争市場とは何ですか?わかりやすく教えてください

多数の売り手と買い手が存在し、財が同質で、情報が完全で、参入・退出が自由な市場。個々の企業はプライステイカーとして行動し、価格=限界費用で生産する。 わかりやすく言うと、理想の市場を想像してください。①売り手も買い手もめちゃくちゃ多い②商品は全部同じ③誰でも自由に参入・退出できる④みんな完璧な情報を持っている。こんな夢のような市場が完全競争市場。現実にはほぼ存在しない「理論上の理想形」です。

Q. 完全競争市場は診断士試験のどの科目で出題されますか?

完全競争市場は「経済学」の科目で出題されます。ミクロ経済学の分野に分類され、関連する概念と合わせて理解することが重要です。

Q. 完全競争市場の具体例を教えてください

架空の企業で、市場価格10円のときの利潤最大化生産量を100個とします。この生産量でAVC(平均可変費用)は8円、AC(平均総費用)は12円、固定費は短期に回避できないものと仮定します。売上1,000円、可変費800円、総費用1,200円なので、生産すれば200円の赤字です。一方、停止しても固定費400円(1,200−800)が残り、赤字は400円になります。生産を続けた方が損失を200円小さくできます。短期の操業判断では、黒字か赤字かに加え、売上で可変費を賄えるかを確認します。

Q. 完全競争市場を効率よく覚えるコツは?

完全競争市場を覚えるコツは、①まず定義を自分の言葉で言い換えること、②実際のビジネスや日常生活の具体例と結びつけること、③関連する用語とセットで比較しながら覚えることです。診断士AIの4択クイズで繰り返し出題されることで、記憶が定着します。

診断士AIクイズ
この用語を4択で確認しよう

Q. 次の説明に当てはまる用語は?

「多数の売り手と買い手が存在し、財が同質で、情報が完全で、参入・退出が自由な市場」

読んだ次は、解いて確認

自分に必要な学習を、まず体験する

1次試験の問題演習か、2次試験・事例Ⅳの計算を選べます。登録なしで問題と解説を試してください。

登録なしで体験する

登録なしで使える1次試験問題は490問。全1,400問・学習履歴・弱点復習は、無料登録後7日間の体験または有料プランで利用できます。

「完全競争市場」の基本情報

用語名完全競争市場
分野ミクロ経済学
出題科目経済学
重要度★★★★★頻出
関連用語数8語

「完全競争市場」を覚えた次にやること

用語の意味を確認したら、同じ分野の用語、科目別の攻略法、問題演習へ進むと知識が得点につながります。

ミクロ経済学の関連用語

ミクロ経済学の用語を全て見る →

他の科目の重要用語

関連する学習コラム