中小企業診断士【運営管理】の重要用語35選|合格者が解説する攻略ガイド
中小企業診断士試験「運営管理」の重要用語35選を合格者が徹底解説。生産管理・店舗管理・物流の頻出テーマ別に整理し、製造業未経験者でも理解できる具体例と試験攻略法を網羅。2次試験事例Ⅲに直結する必須用語を完全ガイド。
運営管理は「工場の現場」を頭の中にイメージできるかどうかが勝負
4年かけて合格した私が、最も「想像力が試される」と感じた科目が運営管理です。製造業で働いた経験がなかった私は、最初の2年間、「かんばん」や「段取り替え」といった用語を暗記してもまったくピンときませんでした。
転機は、近所の工場見学に参加したことです。実際に生産ラインを見て、「なぜかんばんで在庫を管理するのか」「なぜ段取り時間を短縮することが重要なのか」が体感としてわかりました。
この記事では、私が「現場をイメージしながら」理解した運営管理の重要用語を生産管理・店舗管理・物流の3分野に分けて解説します。
生産管理:トヨタ生産方式を中心に理解する
試験の最重要テーマはトヨタ生産方式(TPS)です。すべての概念がつながっているので、全体像を把握してから個別用語を学ぶのが効率的です。
トヨタ生産方式の核心
- JIT(ジャスト・イン・タイム):必要なものを必要なときに必要なだけ作る生産思想。全体の根幹
- かんばん方式:JITを実現する情報伝達ツール。「引っ張り方式」の仕組みを理解する
- 自働化(ニンベンの付いた自動化):異常を検知したら人間が介入する仕組み。「機械が自律的に判断する」点がポイント
- 7つのムダ:加工・在庫・動作・運搬・不良・作りすぎ・待ちのムダ。すべて暗記必須
- 平準化生産:生産量と品種を均一にならす手法。JITの前提条件
- 段取り替え:生産品種を切り替える作業。外段取り・内段取り・SMEDとセットで理解
生産計画と在庫管理
- 生産計画:何をいつどれだけ作るかの計画。大日程・中日程・小日程の3階層
- MRP(資材所要量計画):製品需要から部品・材料の必要量を展開する仕組み
- EOQ(経済的発注量):発注コストと保管コストの合計が最小になる発注量
- 定期発注方式:一定期間ごとに発注量を変えて注文する方式
- 定量発注方式:在庫が発注点を下回ったら一定量を注文する方式
- リードタイム:注文から納品までの時間。短縮が競争力向上の鍵
- ロット生産:一定数量をまとめて生産する方式
品質管理
- QC七つ道具:パレート図・特性要因図・散布図など7つの分析ツール。名称と用途を暗記
- 新QC七つ道具:言語データを分析するための7つのツール。QC七つ道具と混同しない
- TQC/TQM(全社的品質管理):全社員・全部門で品質管理に取り組む思想
- シックスシグマ:不良率を100万分の3.4以下にする品質改善手法
- 5S:整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つ。品質管理の基盤
- ポカヨケ:ヒューマンエラーを物理的に防ぐ仕組み
設備管理・工程管理
- TPM(全員参加の生産保全):全員で設備を維持・改善する活動
- 総合設備効率(OEE):設備の有効活用度を示す指標。時間稼働率×性能稼働率×良品率
- 稼働率:設備の利用度合い。OEEの構成要素
- ボトルネック:生産ラインの中で最も処理能力が低い工程。全体の生産量を規定する
- クリティカルパス:プロジェクト完了までの最長経路。PERT/CPMで分析する
- 標準時間:正常な作業者が正常な条件で作業する時間。生産計画の基準
生産方式の種類
- 製品別配置(ライン配置):製品の流れに沿って設備を配置。大量生産に適合
- 機能別配置(工程別配置):同種の設備をまとめる配置。多品種少量生産に適合
- セル生産方式:1人または少人数が多工程を担当する方式。多能工化が前提
- 見込生産(MTS):需要を見込んで事前に生産する方式
- サプライチェーンマネジメント(SCM):調達から販売まで全体を最適化する管理
店舗管理:小売業の現場を理解する
運営管理の後半は「店舗運営・流通」です。生産管理と同じくらいの比重があります。
陳列・売場づくり
- インストアマーチャンダイジング(ISM):店内での商品陳列・演出による購買促進
- ゴールデンゾーン:最も目につきやすい棚の高さ(85〜150cm程度)
- 顧客動線:店内での顧客の移動経路。長く誘導するほど購買機会が増える
- 回遊性:顧客が店内を広く回遊できる度合い
- 棚割り(プラノグラム):棚への商品配置計画。フェーシング数と陳列位置の決定
物流・在庫管理
- 物流センター(DC/TC):DC(保管型)とTC(通過型)の違いを理解する
- クロスドッキング:入荷した商品を保管せず即座に出荷する方式
- トレーサビリティ:食品などの生産・流通履歴を追跡できる仕組み
- コールドチェーン:低温を保ったまま輸送・保管する流通システム
- 3PL(サードパーティ・ロジスティクス):物流業務を外部専門業者に委託する手法
試験攻略のポイント
1. トヨタ生産方式は「思想」として理解する 個々の用語を単独で暗記するより、「なぜJITが生まれたか」「かんばんはどのように機能するか」という文脈で覚えるほうが試験で応用できます。
2. 生産方式の「使い分け」を整理する 「大量生産→ライン配置」「多品種少量→機能別配置」など、状況と生産方式の対応関係を表にまとめておきましょう。
3. 在庫管理の計算問題は必ず得点する EOQ計算・安全在庫計算・発注点計算は公式さえ覚えれば確実に得点できます。過去問で型を完全習得してください。
4. 2次試験事例Ⅲとの連携を意識する 運営管理は2次試験事例Ⅲ(生産・技術)に直結します。1次試験の勉強から「この改善提案をどう記述するか」を意識しておくと2次対策が楽になります。
まとめ
運営管理は範囲が広いですが、「トヨタ生産方式の全体像 → 個別手法の理由 → 店舗・物流」という順番で学べば体系的に理解できます。
用語の詳細は用語集で確認し、理解度チェックには診断テストをご活用ください。
この記事を書いた人:製造業未経験のまま中小企業診断士に合格。工場見学が運営管理理解の最大の転機でした。
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